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チャップリンのおすすめ映画音楽 紹介
今回は、映画音楽の第二弾として、私の大好きなチャップリンの映画音楽を紹介したいと思います。
前回のおすすめの映画音楽10選の中でも、映画「モダンタイムス」の「Smile」を紹介しましたが、この曲も含め、おすすめのチャップリンの音楽を紹介します。
「チャップリンって、監督、俳優だけやっているんじゃないの?」と思っている方も多いかと思いますが、チャップリンは音楽才能も優れており、チャップリン映画の中でも、バイオリンやピアノ演奏を披露しています。
楽譜は読めなかったようですが、チャップリンの映画で流れている曲は、チャップリン自身の作曲が多く、チャップリン映画に似合うロマンチックな曲が多いことが特徴です。
この記事では、映画の内容もつけ加えながら、音楽を紹介していきたいと思います。
評価点は、個人的な独断と偏見で採点していますので、世間一般の評価と違うところもあるかもしれませんが、その点、ご了承ください。
チャップリンの映画音楽を知りたい方や、チャップリンの映画に興味がある方に、役立つ記事になっています。
「ライムライト」テリーのテーマ
【映画のあらすじ】
世の中から忘れ去られてしまった舞台俳優の老道化師カルヴェロ(チャップリン)は、若くてきれないバレリーナ(テリー)を自殺から救います。
テリーを、トップバレリーナーに育て上げていきながら、カルヴェロ自身も昔の名声を取り戻すよう頑張っていきます。
【コメント】
チャップリン晩年の映画「ライムライト」のテーマ曲で、チャップリンの音楽の中でも、最も有名な曲です。
バレリーナ(テリー)は、どんどん有名になっていく反面、カルヴェロは落ちぶれていき、最後にはみんなに看取られながら亡くなっていくという悲しい映画です。
この「テリーのテーマ」は、バレリーナ(テリー)が、舞台で踊るときに流れる音楽です。
チャップリンの浮浪者キャラ(口髭、破れたダボダボな服、杖、帽子)は出てきませんが、カルヴェロが、舞台で道化師を演じているときに、浮浪者キャラを彷彿させる格好をします。
音楽評価: 4.0
映画評価: 3.5
「モダンタイムス」スマイル
【映画のあらすじ】
チャップリン演じる浮浪者が、機械だらけの職場で働いているうちに、気が狂ってしまい退職してしまいます。
その後、浮浪少女(ポーレット・ゴダード)と出会い、一緒に、デパートやキャバレーで働いて、お互いに頑張って行きます。
【コメント】
おすすめの映画音楽10選の中でも、紹介しましたが、
この曲もチャップリンの音楽の中で有名な曲で、Jazzのスタンダード曲にもなっています。
この曲は、ラストの浮浪少女と手をつないで、希望を持って笑顔で歩いてゆくシーンで使用されており、ロマンチックで希望に満ちた曲です。
チャップリンが、浮浪少女に「笑顔になって」というパントマイムから、この曲名になったのではないかと想像します。
音楽評価: 3.6
映画評価: 3.8
「モダンタイムス」ティナティナ
【コメント】
同様に、「モダンタイムス」から、キャバレーでチャップリンが踊りをするシーンで流れるのが、この「ティナティナ」です。
この曲は、チャップリンの作曲ではなく、1920年代にヨーロッパから世界的に流行した楽曲です。
上の映像は、「キャバレーで踊りをしなければならなくなったチャップリンが、カフスにセリフを書いて踊りに出ますが、踊りの途中でカフスが飛んでセリフが分からなくなってしまい、出鱈目な歌詞にパントマイムを入れて踊っている」シーンです。
見てお分かりの通り、この踊りのシーンのチャップリンのパントマイムには、圧巻されてしまいます。
尚、このシーンは、チャップリン初のトーキーシーン(このシーン以外は、全て、サイレンスです)で、チャップリンの歌声を聞くことができます。
音楽評価: 2.5
映画評価: 3.8
「街の灯」ラ・ヴィオレテラ
【映画のあらすじ】
浮浪者チャップリンが盲目の花売り娘に恋をしてしまい、盲目の手術を受けさせるために悪戦苦闘して、手術のお金を用意してあげます。
手術が成功し目が見えるようになった花売り娘は、チャップリンのことを大金持ちでカッコ良い男性だと勘違いしています。
実はこの大金持ちだと思っていた男性が、浮浪者チャップリンだったことに、手を握った瞬間に気づきます。
【コメント】
チャップリンの映画の中で最も感動的で美しい映画「街の灯」の中で、ヒロインの花売り娘が出てくるシーンに、繰り返し使われる曲です。
花売り娘に似合う明るく美しいこの曲は、チャップリンの作曲ではなく、スペインの歌曲で、ミュージカルなどでも使用されていた有名曲です。
花売り娘が浮浪者チャップリンだと気づくラストシーンは、チャップリン映画の中で最も感動的なシーンです。
音楽評価: 3.0
映画評価: 4.5
「独裁者」ローエングリン序曲
【映画のあらすじ】
ヒトラーを戯画化したヒンケル(チャップリン)が世界征服を狙っている中で、ユダヤ人迫害の被害に遭っている貧しい床屋(チャップリン)が、ヒンケルと似ていることから
チャップリンは、ヒンケルに間違えられてしまいます。
チャップリンは、演説をしなければならない状況に陥り、ラストでは、世界平和を訴える大演説を行います。
【コメント】
この映画は、ヒトラーが全ヨーロッパを制圧していた時代に制作されたチャップリンの政治的要素が最も強い映画です。
チャップリン映画初の全編トーキー映画で、その効果は最後の演説に生かされています。
チャップリンは、ヒンケルと床屋の二役を演じており、最後の大演説は、今でも世界平和を願う人々に感動を与えてくれます。
この曲は、ヒンケルが、地球儀と戯れながら世界征服を夢見て踊り出すシーンで流れます。
この曲は、チャップリンの作曲ではなく、ヒトラーがお気に入りであったワーグナーの「ローエングリン序曲」で、
この曲とチャップリンの静かで狂気なパントマイムがマッチしています。
音楽評価: 2.5
映画評価: 4.8
「黄金狂時代」小さなパンのポルカ
【映画のあらすじ】
放浪者チャップリンが、ゴールドラッシュの一攫千金を夢見て、アラスカに行きます。
アラスカでは、寒さや飢えと闘わなければならなかったり、酒場で出会ったヒロイン ジョージアに一目惚れするも相手にされないなど、かわいそうな一時期を過ごしますが、
最後には、金の鉱脈を発見し、一躍百万長者になります。
【コメント】
チャップリン・コメディの最高傑作「黄金狂時代」のロールパンのダンスのシーンで使用された曲です。
この曲が使用されているロールパンのダンスは、ヒロイン ジョージアに相手にされずに、チャップリンが、大晦日1人、うたた寝して、「女性に大モテになる」夢を見ているシーンです。
曲は明るくダンスシーンにマッチしていますが、夢の中というのが、チャップリンの悲哀さを表しています。
音楽評価: 2.3
映画評価: 3.0
「ニューヨークの王様」マンドリンセレナーデ
【映画のあらすじ】
革命のために祖国を追われたヨーロッパの某国の王様(チャップリン)が、自由を求めてニューヨークに亡命します。
しかし、ニューヨークは想像とは異なっており自由の国ではありませんでした。
王様は、CMに出演し大ヒットするもスッキリせず、最後は、学校で知り合った少年の親が共産主義者で追われていることが分かり、この国に失望して母国に帰ります。
【コメント】
チャップリン主演の最後の作品「ニューヨークの王様」のテーマ曲です。
赤狩りのアメリカを非難している政治的要素の強い映画ですが、音楽は、マンドリンを中心とした親しみやすい美しい曲です。
音楽評価: 3.0
映画評価: 2.0
「伯爵夫人」愛のセレナーデ
【映画のあらすじ】
アメリカの外交官(マーロン・ブランド)が、アジアの大使のために乗った客船の中で、密航女であるヒロイン(ソフィア・ローレン)をかくまったことがきっかけで、この密航女の優しさに触れて惹かれていくといったメロドラマです。
【コメント】
チャップリンの最後の監督作品「伯爵夫人」のテーマ曲です。
主演はマーロン・ブランド、ソフィア・ローレンで、チャップリンは主演しておらず、小さな端役でちょっとだけ顔を見せています。
チャップリンが77歳の時に脚本、監督した作品であるため、映画の面白さとしては魅力がなくなってはいますが、
音楽は、ストリングスにマンドリンが加わったメロディアスな曲で、「ニューヨークの王様」の「マンドリンセレナーデ」の姉妹曲のような曲です。
音楽評価: 3.0
映画評価: 2.2
まとめ
チャップリンの有名な映画音楽を8曲紹介しました。
チャップリンの曲は、コメディ映画らしく、明るく美しい曲が多く、映画のシーンごとにマッチするように作曲されています。
今回紹介した曲の中で、「「モダンタイムス」ティナティナ」「「街の灯」ラ・ヴィオレテラ」「「独裁者」ローエングリン序曲」は、チャップリンの作曲ではありませんが、これらの曲も、映画のシーンにマッチするように選曲、アレンジされています。
チャップリンは、映画監督、俳優だけでなく、音楽においても才能があることがお分かりになれたかと思います。
今回すべてのチャップリンの映画は紹介できませんでしたが、どれもチャップリンの映画は素晴らしいため、まだ映画を見られていない方は、ぜひ視聴してみてはいかがでしょうか。
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*本ページの情報は2024年10月5日現在のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。
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