Headless Cross

評価: 3.6
1989年に発売された14枚目のアルバムで、ジェフ・ベック・グループやレインボーなどで活躍していたコジー・パウエルが新たに参加した作品です。
その効果がオープニング・ナンバー「Headless Cross」から発揮されており、冒頭のドラムの音だけでコジー・パウエルと分かる迫力のあるビートをかましています。
トニー・マーティンのボーカルもすごく、低音から高音まで幅広い歌声を披露しています。
また、「When Death Calls」では、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイがゲスト参加しており、印象的なギターを聴かせています。
このように良質な作品にもかかわらず、当時はLAメタルが流行り、グランジの台頭も始まっていた時代背景から、様式美の作品は時代にあっておらず、前作「The Eternal Idol」と同様、商業的には惨敗の結果となりました。
Sabbath Bloody Sabbath

評価: 3.7
1973年に発売された5枚目のアルバムで、プログレッシブ・ロック色が強い作品です。
「Sabbra Cadabra」に、イエスのキーボディスト、リックウェクマンが参加していることからもプログレッシブ・ロックを感じさせます。
リックウェクマンとは、ブラック・サバスのツアーとイエスのツアーで行動が一緒になったことで、交流が始まったようです。
この「Sabbra Cadabra」には、レッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムも参加する話がありましたが、それは実現しませんでした。
その他にも、アコースティックギターの美しい「Fluff」や、シンセサイザー中心の不思議な「Who Are You?」、バイオリンやチェロを使用した「Spiral Architect」など、ヘビーな曲ではないブラック・サバスの一面が見えるアルバムです。
Born Again 悪魔の落とし子

評価: 3.8
1983年に発売されたブラック・サバスの11枚目のアルバムで、前作「Mob Rules」をもってロニー・ジェイムズ・ディオとヴィニー・アピスがバンドを脱退したことを受け、ディープ・パープルの元ボーカリスト、イアン・ギランを迎えて制作された作品です。
本作は、ジャケットに描かれた悪魔の赤ちゃんのデザインや、全体に漂うダークで重厚なサウンドからもわかるように、ブラック・サバスらしい世界観が色濃く表れています。
しかし、イアン・ギランのボーカルがブラック・サバスに合っていないという酷評が大きいため、ブラック・サバスのアルバムの中で紹介されることが少なく、忘れ去られてしまっている印象を受けます。
とはいえ、「Zero the Hero」など、重くヘビーなリフを持つ楽曲が多く、隠れた名盤としてカルト的な人気のある作品です。
Black Sabbath Vol.4

評価: 3.9
1972年に発売された4枚目のアルバムで、生ピアノ、メロトロン、アコースティック・ギターといった楽器を取り入れ、実験色が強くなった作品です。
とはいえ、「Wheels of Confusion」「Snowblind」「Under the Sun」などの楽曲には、ヘビーなサウンドが受け継がれており、ブラック・サバスらしさが失われたわけではありません。
本作のレコーディングは困難を極め、メンバーのアルコールやドラッグ使用が影響し、制作は遅々として進まず、完成までに6週間を要したとされています。
それにもかかわらず、本作は商業的に成功を収め、全英チャートで8位、全米チャートでも13位を記録しました。
Black Sabbath 黒い安息日

評価: 4.0
1970年に発売されたブラック・サバスの記念すべきデビューアルバムです。
本作は、13日の金曜日に発売されたり、ジャケットが不気味であったりと、黒魔術崇拝を全面に出した作品です。
レコーディングは、ほぼ1日で済ませておりライブ感覚で制作されました。
ヘビーなギター・リフに、うねるベース、個性的な不気味なボーカルなど、独特な世界観を出しています。
ブラック・サバスの魅力は、ギター・リフに加え、スローテンポから高速になる瞬間のゾクゾク感にあるかと思っていますが、オープニング・ナンバーの「黒い安息日」は、まさにそれを象徴したような楽曲です。
デビューアルバムでありながら、全英チャート8位と商業的にも成功したアルバムです。
Heaven and Hell

評価: 4.1
1980年に発売された9枚目のアルバムで、ボーカルがオジー・オズボーンから元レインボーのロニー・ジェイムス・ディオに変わって制作された作品です。
その影響からか、オジー・オズボーン時代の重くグルーブ感のあるサウンドから様式美のサウンドに変化しており、ボーカルが変わるだけで、こんなにサウンドが変わってしまうのかと驚きを感じてしまいます。
「静」と「動」の曲がはっきりしており、「Neon Knights」「Wishing Well」「Die Young」は疾走感溢れる激しい曲、それ以外はスロー・テンポかミドル・テンポの重い曲で構成されています。
ちょうどこの時代、NWOBHMが勃興しその勢いに乗り、本作は英国チャートでは9位、米国チャートでは28位を記録するヒット作になりました。
Tyr

評価: 4.2
1990年に発売された15枚目のアルバムで、トニー・マーティンがボーカルを務める「様式美三部作」の最終作にあたる作品です。
前作「Headless Cross」に引き続き、コージー・パウエルがドラムを担当し、新たに元ホワイトスネイクのニール・マーレイがベーシストとして参加しています。
オープニング・ナンバー「Anno Mundi」から壮大でドラマティックな曲が展開され、様式美を追求していることがうかがえます。
ミドル・テンポの曲が多い中にも、「The Law Maker」のようにスピード感のある楽曲も含まれており、アルバム全体に緩急を与えています。
完成度の高いアルバムですが、「Headless Cross」と同様、商業的には惨敗に終わってしまいました。
それでも、本作はブラック・サバスの隠れた名盤と言える優れたアルバムです。
次は、3位 → 1位 です。