The Beatles(ビートルズ)全アルバム ランキング
今回から、年代順に、ロック界のレジェンドのアルバム ランキングをしていきたいと思います。
まずは、1960年代から、The Beatles(ビートルズ)の全アルバム ランキングをしていきます。
ビートルズは、世界的に、最も有名なロック・バンドであり、ロックに興味がない人でも、ビートルズの名前や楽曲は、耳にしたことがあるかと思います。
最近では、音楽の教科書にも出てくるほど、ビートルズの音楽は、知れ渡っています。
ビートルズは、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人のバンドで、4人全員がいずれかの曲でリード・ボーカルを担当しています。
ジョン・レノンまたは、ポール・マッカートニーが、ビートルズの曲の中の9割ぐらいを作曲しており、残り1割は、ジョージ・ハリスンが作曲しています。
リンゴ・スターの作曲した作品も数曲あります。
ジョン・レノンだけで作曲した曲、または、ポール・マッカートニーだけで作曲した曲であっても、クレジット上、作曲者は、レノン=マッカートニー と表記されています。
ビートルズ結成時は、アイドルとしての色合いが強いバンドでしたが、アルバム「ラバー・ソウル」あたりから、アイドル・バンドから脱却して、芸術性の高い作品が多くなり、音楽的評価が高くなっていきます。
そんなビートルズの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ビートルズのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、ビートルズのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ビートルズ アルバムランキング
Yellow Submarine
評価: 2.6
1969年発売の11作目のアルバムで、劇場用アニメーション映画のサウンドトラックです。A面には、ビートルズの曲、B面には、ビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンが作曲したオーケストラの曲が収録されています。ビートルズの曲が6曲収録されていますが、新曲は4曲しかありません。アニメーション映画で使用された曲ということもあり、子供にも分かる可愛らしい曲が多く収録されています。やっつけ仕事として制作された印象は拭えませんが、それでも、ジョン・レノン作「Hey Bulldog」やジョージ・ハリソン作「It’s All Too Much」のような良作も収録されています。ビートルズの新曲が少ない事情により、このアルバムは、ビートルズのアルバム唯一、全英・全米ともに1位にならなかった作品です。
With the Beatles
評価: 2.9
1963年発売のセカンド・アルバムで、ファースト・アルバム「Please Please Me」は、1日で仕上げられた作品でしたが、このアルバムは、レコーディングに約3ケ月かけて制作されました。この時代のアルバムは、シングル・ヒットした曲の寄せ集めが一般的でしたが、ビートルズはその常識を覆し、当時ヒットした「She Loves You」や「抱きしめたい」などのシングル曲は収録していません。それでも、名曲「All My Loving」が、このアルバムから生まれているところが、ビートルズの凄いところです。他にも、ローリング・ストーンズにプレゼントした「I Wanna Be Your Man」や、ジョージ・ハリソンが初めて作曲した「Don’t Bother Me」が収録されています。ビートルズのオリジナル曲以外は、ソウルのカヴァー曲が多く収録されています。
Please Please Me
評価: 3.0
1963年発売のビートルズの記念すべきデビュー・アルバムです。スタジオ・ライブに近い形で、基本的にギター3本とドラムだけの一発録りがされ、1日で仕上げられたアルバムです。当時の録音技術である2トラックの機材が使用され、それが効果的に表れています。この時代は、作曲者と演奏者は別れているのが一般的でしたが、ビートルズは、自分達のオリジナル曲にこだわり、このアルバムには、「Love Me Do」「Please Please Me」「I Saw Her Standing There」など8曲のオリジナル曲が収録されています。全てのオリジナル曲は、レノン=マッカートニの名義となっています。オリジナル曲以外は、黒人のガールズ・グループ シュレルズの曲を中心としたカヴァー曲で構成されています。尚、この時期、リンゴ・スターは、まだ、ドラムの技術が安定していなかったことから、「Love Me Do」と「P.S. I Love You」のドラムは、リンゴ・スターではなく、アンディ・ホワイトが担当しています。
Beatles for Sale
評価: 3.1
1964年発売の4作目のアルバムで、ちょうどクリスマス時期に発売されたことから、「For Sale」(「ビートルズ売り出し中」)というアルバム名になっています。このアルバム制作時のビートルズは、非常に多忙で、クリスマス時期の発売に間に合わせるためには、全曲、オリジナル曲で埋めることは時間的に困難であったため、カヴァー曲が6曲収録されています。この時期に、シングル・ヒットした「I Feel Fine」は収録されていないため、ビートルズの代表曲はなく、ビートルズのアルバムの中では、一番地味な印象を受けます。しかし、ジョン・レノン、ポール・マッカートニーの作曲能力が高まり、前3作のアルバムと比較して、曲の質が高くなっていることが分かります。ジョン・レノンは、この時期、ボブ・ディランに傾倒しており、「I’m A Loser」は、ボブ・ディランに影響を受けていることが分かる作品です。
A Hard Day’s Night
評価: 3.2
1964年発売の3作目のアルバムで、前半(A面)が、「A Hard Day’s Night」のサウンドトラック、後半(B面)が、映画とは関係のない新曲が収録されています。ビートルズ初の全曲レノン=マッカートニーによるオリジナル曲で構成されています。ただ、ジョン・レノンが作った曲の方が圧倒的に多く、ジョン・レノンの音楽性が色濃く出ている作品です(ジョン・レノンの曲が10曲、ボール・マッカートニーの曲が3曲で構成されています)。それでも、ボール・マッカートニーの曲のインパクトは大きく、「And I Love Her」「Can’t Buy Me Love」「Things We Said Today」全て、名曲に値する作品です。このアルバムから、4トラックのレコーディング機材が導入されています。
Help!
評価: 3.4
1965年発売の5作目のアルバムで、映画「ヘルプ!4人はアイドル」のサウンドトラックでもあります。録音技術の進化に伴い、このアルバムから、ビートルズは、新たな楽器の導入を始めており、ギターだけではなく、エレクトロニック・ピアノの使用や、「Yesterday」では、弦楽四重奏を取り入れていたりします。このアルバムの主導権は、まだ、ジョン・レノンが握っていますが、ジョージ・ハリソンの曲が2曲収録されていたり、ポール・マッカートニーの名曲「Yesterday」が収録されていたり、ジョン・レノン主体のビートルズに変化が生じ始めています。また、カヴァー曲が2曲収録されていますが、カヴァー曲を収録するのは、このアルバムが最後になります。このアルバムの中では、「Help!」「Ticket To Ride」「I’ve Just Seen A Face」「Yesterday」が傑作曲です。
Magical Mystery Tour
評価: 3.5
1967年発売のテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のサウンドトラックのアルバムです。サウンドトラックとして、6曲の新曲が作られましたが、LPでは曲数が少なく、イギリスでは、2枚組EPで発売されました。それを、アメリカでは、サウンドトラック6曲を、A面に収録し、もう片面は、1967年にリリースされたシングルA面B面の曲を収録して発売しました。このアメリカ版が現在出回っているアルバムです。そのため、このアルバムは、ビートルズの純粋なオリジナル・アルバムではありません。ジョン・レノンは、サイケデリック色の強いジョン・レノン作「I Am The Walrus」を、シングル曲のA面で発売したがっていましたが、一般受けするポール・マッカートニー作「Hello, Goodbye」が、A面で発売されることになりました。この辺りから、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの確執が始まっていきます。尚、このテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」は、当時、視聴者から意味不明と酷評を浴びました。
Let It Be
評価: 3.7
1970年発売の13作目のアルバムで、実質ビートルズのラスト・アルバムになります。「ホワイトアルバム」制作後、ビートルズのメンバが、ばらばらになっている状況を打破するために、ライブを1度だけ行うという「ゲット・バック・セッション」を企画します。しかし、セッションはうまく進まず、最終的に、ライブは無観客で、アップル社の屋上で実施されます。この「ゲット・バック・セッション」企画で制作された曲を収録したのがこのアルバムです。このアルバムの中では、ジョン・レノン作「Across the Universe」とポール・マッカートニ作「Let It Be」「The Long and Winding Road」が、ビートルズの代表曲で、傑作な作品です。ビートルズの解散につながった有名なエピソードに、「元々、シンプルな曲であった「The Long and Winding Road」を、フィル・スペクターが、大胆なストリングスを使用したアレンジを行なったことで、ポール・マッカートニが激怒した」というものがあります。この時期のビートルズにドロドロの裏事情があったとしても、アルバム自体は、そのような裏事情を感じさせない素晴らしいアルバムです。
Revolver
評価: 4.0
1966年発売の7作目のアルバムです。ADTやテープの逆回転、オーバーダビングを繰り返すなど、実験色の強い作品で、制作時間に約300時間を要したと言われています。ジョージ・ハリソンの曲が3曲収録されており、ジョージ・ハリソンの作曲能力が向上していることが分かります。また、ジョージ・ハリソンは、この時期からインドの音楽に傾倒し始めており、「Love You To」では、インドの楽器シタールを、ふんだんに取り入れています。ジョン・レノンの曲(「She Said She Said」「Tomorrow Never Knows」など)は、サイケデリック色が強くなっていることが分かります。ポール・マッカートニーの曲も、色々と実験が試みられていますが、「Eleanor Rigby」や「Here, There and Everywhere」など、美しい曲を作曲する能力に変わりありません。一昔前までは、ビートルズの最高傑作は、次作「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」が挙げられていましたが、最近では、このアルバムが、最高傑作だと言われることが多くなってきているように感じます。
Rubber Soul
評価: 4.2
1965年発売の6作目のアルバムです。ライブから、レコーディングに大きく比重を変え始めた時期の作品で、このアルバムから、中期ビートルズが始まります。捨て曲が何曲かありますが、ジョン・レノンとポール・マッカートニーそれぞれの名曲(ジョン・レノンの名曲は、「Norwegian Wood」「Girl」「In My Life」、ポール・マッカートニーの名曲は、「Drive My Car」「You Won’t See Me」「Michelle」)が収録されており、捨て曲があっても素晴らしいアルバです。ジョージ・ハリソンの曲も、2曲収録されていますが、まだこの時代のジョージ・ハリソンの曲は、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの曲と比較すると、劣っています。なお、ジョン・レノンの名曲とされている「In My Life」は、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの言い分が異なっており、2人とも、「自分が中心に作曲した」と主張していますが、真相は分かっていません。このアルバムも含め、中期のアルバムから、後期のアルバムは、どのアルバムも素晴らしく、甲乙つけがたいアルバムばかりです。
次は、3位 → 1位 です。
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