心守歌-こころもりうた
評価: 2.85
2001年に発売された29作目のアルバムで、夜会 Vol.11「ウィンター・ガーデン」の挿入歌や、中島みゆき初のクリスマス・ソングを収録した作品です。
本作にはシングルカットされた曲や派手なアレンジの楽曲はなく、全体的に地味な印象を受けるアルバムです。
その中でも、中島みゆきらしい失恋ソング「囁く雨」や、「地上の星」の続編のような「あのバスに」、力強い旋律を持つ「夜行」などは良曲として挙げられます。
話題となった中島みゆき初のクリスマス・ソング「LOVERS ONLY」は、歌詞自体は中島みゆきらしい良曲ですが、クリスマスらしいきらびやかな曲調は、中島みゆきの世界観に合わないようにも感じられます。
そのためか、このクリスマス・ソングはあまり知られる存在にはなりませんでした。
本作は全体的に優しい雰囲気に包まれており、静かな夜にしっとりと聴きたくなるアルバムです。
短篇集
評価: 2.9
2000年に発売された28作目のアルバムで、中島みゆきの2000年代を代表する大ヒット曲「地上の星」が収録されている作品です。
「地上の星」は、「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」のオープニングテーマとして起用され、その後、2002年の紅白歌合戦に初出場した際にこの曲を披露したこともあり、大ヒットとなりました。
この曲はオリコン・シングルチャート1位を記録し、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代という4つの年代すべてでシングルチャート1位を獲得するという快挙を達成しました。
本作にはほかにも、「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」のエンディングテーマとして知られる「ヘッドライト・テールライト」が収録されています。
アルバム全体としては個々の歌で完結していることから、「短篇集」というアルバム名が付けられました。
ただし、「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」の存在感が大きいため、ほかの楽曲の印象が薄くなってしまっている点は、少し残念に感じられます。
わたしの子供になりなさい
評価: 2.9
1998年に発売された25作目のアルバムで、在ペルー日本大使公邸占拠事件をモチーフにした「4.2.3.」が賛否両論を巻き起こした作品です。
「4.2.3.」は中島みゆきの楽曲の中でも最長となる12分超えの曲で、メッセージ性が強く政治的要素を含んでいるため、賛否両論を呼びました。
本作は明と暗の楽曲がはっきりしており、アルバムタイトルにもなっているオープニング・ナンバー「わたしの子供になりなさい」は、久々に中島みゆきワールドを感じさせる暗めの楽曲です。
それにしても、「わたしの子供になりなさい」という、なんとも大胆な曲名を付けたものだと思ってしまいます。
そのほか、竹中直人に提供した楽曲「紅灯の海」は、1970年代の中島みゆきを彷彿とさせる演歌調の楽曲で、中島みゆきの歌声に味わい深さを感じさせます。
ただし、本作はオリコンチャートで8位止まりとなり、1990年代前半の勢いが落ち着き、低迷期に入ったことを感じさせるアルバムとなりました。
10 WINGS
評価: 2.95
1995年に発売された23作目のアルバムで、夜会のために書き下ろされた楽曲を収録した作品です。
「二隻の舟」や「Maybe」「ふたりは」は、他のアルバムにも収録されている既出曲です。
舞台で披露された楽曲が中心であるため、長尺の曲が多く、演劇的要素の強い作品となっています。
本作の注目曲は、「夜を行け」にも収録されている「ふたりは」で、本作では世良公則とのデュエットが披露されており、中島みゆきと世良公則の歌唱力は格別です。
1999年には、本作と同様に夜会の楽曲をセレクトしたアルバム(「日-WINGS」「月-WINGS」)が発売されています。
生きていてもいいですか
評価: 3.0
1980年に発売された7作目のアルバムで、とにかく暗い作品です。
これまで聴いてきたアルバムの中でも、これほど暗いものはないと言っていいほど、真っ暗な内容となっています。
アルバムタイトル、ジャケット、収録曲のすべてが暗く、聴くには相応の覚悟が必要です。
中島みゆき本人も「真っ暗けの極致のアルバム」と語っています。
「恨みまーす♪ 恨みまーす♪」というフレーズで始まるオープニングから、一気に沈み込んでしまいます。
これはまだ序の口で、ラスト2曲の「エレーン」と「異国」は救いようがなく、生きているのが辛くなるほど重い楽曲です。
それでも、アルバム中盤には比較的明るめの曲もあり、それがわずかな救いとなっています。
このように徹底して暗いアルバムでありながら、オリコンチャートで1位を記録したのは、当時の中島みゆきの人気が絶大だったのか、あるいは日本全体が病んでいたのか、どちらかだと思えてしまいます。
決して、落ち込んでいるときに聴くべきアルバムではありません。
転生 TEN-SEI
評価: 3.0
2005年に発売された33作目のアルバムで、2004年に上演された夜会VOL.13「24時着 0時発」で使用された曲を収録した作品です。
過去にも「10 WINGS」「日-WINGS」「月-WINGS」といった夜会の曲を収録したアルバムを発表していましたが、本作はVOL.13「24時着 0時発」の公演に絞った曲のみを収録しています。
そのため、「10 WINGS」「日-WINGS」「月-WINGS」以上に、演劇要素が強く、テーマ性が強い作品となっています。
アルバム名の通り、転生をテーマにしており、中島みゆきには珍しく、本作には、恋愛の要素がありません。
フジテレビ系スペシャルドラマ「女の一代記」の主題歌となった「命のリレー」や、アイリッシュな「サーモン・ダンス」と言った良曲も収録されています。
本作は、演劇要素が強いことから、中島みゆきの様々な歌声を聴くことができ、中島みゆきのボーカルの幅広さを堪能することができます。
DRAMA!
評価: 3.0
2009年に発売された36作目のアルバムで、前半は「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」への提供曲、後半は夜会の曲で構成されています。
「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」は、吉川晃司が主演しているミュージカルで、「東洋のシンドラー」と呼ばれている杉原千畝を題材としています。
そのため、収録曲はドラマ性はありますが、舞台を見ていないと曲の魅力がイマイチ伝わりにく印象を受けます。
夜会のパートは、夜会 VOL.15、VOL.16で歌われた曲が収録されており、夜会VOL.13を収録したアルバム「転生 TEN-SEI」と同様に、演劇要素の強い作品となっています。
中島みゆきのアルバムの中では、好き嫌いがはっきりと分かれそうな異色作となっています。
I Love You, 答えてくれ
評価: 3.05
2007年に発売された35作目のアルバムで、フォーク色の強かった前作「ララバイSINGER」から一転、ロック色の強い作品となっています。
ロック色が強いと言っても、「御乱心の時代」のロックとは違った骨太のロックが展開されています。
それに合わせて、中島みゆきも骨太の歌声を披露しています。
前作「ララバイSINGER」に収録されていたTOKIOへの提供曲「宙船」に続き、本作にもTOKIOへの提供曲「本日、未熟者」が収録されており、歌いだしの一声だけでロックしていることが分かります。
その他では、「世界ウルルン滞在記”ルネサンス”」の主題歌「一期一会」や、同番組のエンディング曲「昔から雨が降ってくる」、そして「earth music&ecology」のCMで使用された「Nobody Is Right」などの有名曲も収録されています。
中島みゆきのロックの曲を聴きたい人に、最適なアルバムです。
組曲 (Suite)
評価: 3.1
2015年に発売された41作目のアルバムで、シングル曲やセルフカバー曲、夜会での既出曲を含まない、純粋な全曲新作の作品です。
アルバムタイトル「組曲 (Suite)」が示す通り、全体に統一感があり、流れるような曲構成が魅力の作品となっています。
オープニング・ナンバー「36時間」から、これまでの中島みゆきのアルバムとは違い、しっとりとした大人の中島みゆきを聴かせてくれます。
本作は、中島みゆきが60代半ばに差し掛かる頃に発表された作品で、年齢相応の熟練した大人の音楽に仕上がっています。
年齢相応といっても、その歌声に衰えはまったく感じられず、若々しさを保っています。
パラダイス・カフェ
評価: 3.1
1996年に発売された24作目のアルバムで、「家なき子2」の主題歌となった「旅人のうた」が収録された作品です。
この「旅人のうた」は、「家なき子」の主題歌であった「空と君のあいだに」と同様に、オリコンチャート1位を記録し大ヒットしました。
他にも、吉田拓郎に提供した軽快な曲「永遠の嘘をついてくれ」が収録されており、この2曲だけでも本作を聴く価値があります。
この2曲以外は、全体的に落ち着いた大人の雰囲気が漂う曲が多く、しんみりとした中島みゆきを聴きたい人に適したアルバムです。
このアルバムのジャケットのセンスも良く、中島みゆきが美しすぎます。
次は、20位 → 11位 です。