SUNBURST〜我武者羅

評価: 2.8
2021年に発売された28作目のアルバムで、ラウドネス40周年を記念した2枚組のアルバムです。
前作「RISE TO GLORY – 8118 -」がヨーロッパ的できっちり作り込まれていたのに対して、本作はジャケットのように日本的で、骨太のジャパメタが展開されています。
疾走曲が少ないためか、ヘビーメタルの要素は少なくなり、キャッチーでポップな曲が多いことから好き嫌いが別れそうな作品です。
往年のラウドネス・ファンは、がっかり感の方が大きいかと思いますが、ヘビーメタルが嫌いな人にも受け入れることができる柔軟性があります。
実際、オリコンチャートで5位を記録し、過去2番目の上位にランキングしました。
BIOSPHERE 〜新世界〜

評価: 2.85
2002年に発売された17作目のアルバムで、第1期メンバー再結成後の作品の中でも、特にシンプルな音作りがされた作品です。
オープニング・ナンバー「Hellrider」から、ヘヴィな疾走曲で一気に突き抜け、その後も重低音のギターリフが全編にわたって響き渡ります。
第1期メンバー再結成後の作品に共通する重いギター・サウンドは本作でも健在で、さらに一段とヘビーさが増しています。
ただし、この手のサウンドは序盤こそテンションが上がるものの、重低音に慣れてくると、中盤以降は単調に感じられ、盛り上がりに欠ける印象も否めません。
ラスト・ナンバー「For You」は、ラウドネスとしては珍しいブルース調の楽曲で、レッド・ツェッペリンを彷彿させています。
本作は、更に重く陰鬱になる次作「TERROR 〜剥離〜」の前哨戦のようなアルバムです。
SPIRITUAL CANOE 〜輪廻転生〜

評価: 2.9
2001年に発売された15作目のアルバムで、「インド三部作」があまりに売上が低迷してしまったために、第1期黄金メンバーが再集結し制作された作品です。
そのためか、本作は、昔のラウドネスのヘビーメタルのサウンドと、「インド三部作」のグルーヴィーのサウンドを足し合わせたようなサウンドに変化しています。
二井原実のボーカルは音の悪さもあってか、昔のように派手なハイトーン・ボーカルではなく、全体的に落ち着いた印象を受けます。
このように復活作にしてはインパクトに欠ける印象を受けますが、それでも、「The End of Earth」や「Stay Wild」は、高崎晃のタッピング・ギターが炸裂し、かつてのラウドネスを彷彿させています。
KING OF PAIN 因果応報

評価: 2.95
2010年に発売された23作目のアルバムで、ドラムの鈴木政行が本格的に参加した最初の作品です。
その影響もあってか、ツーバス・ドラムが炸裂するなど、ドラムがかなり前面に押し出されていますが、一方で高崎晃のギターソロは控えめとなっています。
オープニング・ナンバー「The King of Pain」から飛ばしていき、続く「Power of Death」では1980年代のラウドネスを思わせるメロディアスな展開がされ、この2曲だけで圧倒されてしまいます。
しかし、その後の曲は失速し、アルバム全体としてのインパクトには欠けます。
特に、高崎晃のギターソロが少ないのは寂しく、1980年代のラウドネスへの完全な復帰作とまではいきませんでした。
全体的に、メタリカのようなギターリフ主体の曲作りが印象的ですが、キラーチューンと呼べるような強力な曲が少ないのは残念なところです。
本作の中では、「Where am I going?」が注目曲で、この曲は高崎晃がボーカルを務めており、高崎晃のバラードとデスボイスの両方の歌声を聴くことができます。
THE SUN WILL RISE AGAIN 〜撃魂霊刀

評価: 3.0
2014年に発売された26作目のアルバムで、再び海外進出を狙った作品です。
そのため、米国向けのU.S.ミックスのアルバムもリリースされました。
アメリカ側からは、1980年代のような作品や「THUNDER IN THE EAST」の続編を要望されていたようですが、高崎晃は自分たちの意思を貫き、アメリカ側の要望は聞き入れませんでした。
そのような背景から、本作は近年のラウドネスのヘビネスさが残る作品となっています。
前作「2・0・1・2」は、いまいちパッとしないアルバムでしたが、本作はそれなりの力作に仕上がっています。
ただし、アメリカでは反響を得られず、ヒットすることはありませんでした。
DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜

評価: 3.1
1982年に発売されたセカンド・アルバムで、ファースト・アルバムの延長線上のような作品です。
それは、ジャケットが、ファースト・アルバムの時間経過したもの(水晶に閉じ込められた胎児が抜け出していること)からも分かります。
ファースト・アルバムよりもダークな曲が増えていることに加え、バラードやファンキーな曲を入れたりと、バラエティ豊かな曲が増えています。
オープニング・ナンバーの「Lonely Player」と「Angel Dust」のアップテンポの曲から、3曲目の「After Illusion」のダークなバラード曲へと怒涛の名曲が続きます。
途中、実験的な曲を挟みながら、最後は7分を超えるプログレッシブ・ロックのようなドラマティックな「Devil Soldier」で締めくくられます。
ラウドネスのアルバムの中では地味な印象を受けますが、ファースト・アルバムに負けじ劣らずの力作のアルバムです。
THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜

評価: 3.2
1981年、元レイジーの高崎晃と樋口宗孝を中心に結成されたラウドネスの記念すべきファースト・アルバムです。
ボーカルは元アースシェイカーの二井原実が担当しており、二井原実は第1期ラウドネスおよび第5期以降のボーカリストとして活躍します。
本作のレコーディング期間はわずか5日間で、一発録りも行われているため、ライブ感あふれる荒削りな演奏が特徴です。
オープニングのギター・アーミングは、ヴァン・ヘイレンの影響が感じられ、高崎晃の高い演奏技術がうかがえます。
当時、日本にはメタル・バンドがほとんど存在せず、ラウドネスはこれからの日本のメタルシーンを牽引する存在としてふさわしいデビュー作となりました。
PANDEMONIUM 〜降臨幻術〜

評価: 3.25
2001年に発売された16作目のアルバムで、第1期メンバー再結成後の2枚目の作品です。
本作は、スラッシュメタルのように速く、重低音のギターは破壊力抜群で、メタリカの「セイント・アンガー」を彷彿とさせます。
ジャケットも不気味で、このサウンドにマッチしています。
第1期メンバーで再結成したにもかかわらず、単なる昔のヘビーメタルへの回帰にとどまらず、常に進化し続けているところにラウドネスの凄さがあります。
特に、「Ya Stepped on a Mine」と「What’s the Truth?」のブチギレた疾走曲には圧倒されます。
TERROR 〜剥離〜

評価: 3.3
2004年に発売された18作目のアルバムで、「恐怖」をテーマにした作品です。
そのため、全体的にドゥーム・メタルのような、救いのないほどヘビーで暗い雰囲気に包まれており、ブラック・サバスからの影響が色濃く感じられます。
疾走感のある曲はほとんどなく、全編重くうねるようなギターリフが支配しています。
中でも、「Life After Death」や「Cross」といったスローテンポの楽曲は、まさに初期ブラック・サバスを彷彿させています。
本作は、売れ路線のアルバムではないため、過去最低の売上であった「ENGINE」を、さらに下回る売上となってしまいました。
しかし、最近では再評価されており、何度も聴いていくうちに重苦しい割にはメロディアスな魅力がじわじわと分かってくるスルメ盤です。
Racing/音速

評価: 3.4
2004年に発売された19作目のアルバムで、スピード感にあふれるラウドネスが戻ってきた作品です。
前作「TERROR 〜剥離〜」が、重苦しさに満ちた作品で賛否が分かれたこともあり、本作では1980年代のラウドネスを彷彿とさせる疾走感のある楽曲が多数収録されています。
ただし、単なる過去の焼き回しではなく、1980年代のヘビーメタルのラウドネスの良い部分と、1990年代以降のモダン・ヘビネスのラウドネスの良い部分がバランス良く融合されています。
これまで1990年代以降のラウドネスに対して消化不良を感じていた人にも、本作は納得のいく仕上がりとなっています。
なお、本作は日本語版と英語版の両方がリリースされていますが、日本語版ではボーカルがやや埋もれ気味に聞こえるため、音質の良い英語版の方がおすすめです。
次は、10位 → 1位 です。