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Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン) 全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)の全アルバム・ランキングを行いましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第38弾として、米国のロック界を代表する重鎮、Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)の全アルバムをランキング形式で紹介していきたいと思います。
ブルース・スプリングスティーンは、バンド活動を経て1972年にレコード会社と契約を結び、プロとしてのキャリアをスタートさせました。
初期の作品では、若者たちの夢や葛藤を描いた青春群像が中心でしたが、次第に社会的なテーマも取り入れるようになり、アメリカの労働者階級や若者の声を代弁する存在へと発展していきます。
その音楽スタイルは、労働者や農民が多い地域であるハートランドになぞらえ、「ハートランド・ロック」と呼ばれるようになりました。
その後、1975年に発表したアルバム「明日なき暴走」が大きな成功を収め、世界的にその名が知られるようになります。
さらに1984年のアルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」は世界的な大ヒットとなり、ブルース・スプリングスティーンの代表作となりました。
1999年にはロックの殿堂入りも果たしています。
近年では、米移民税関捜査局(ICE)による国家の暴力的な弾圧などに言及した楽曲を発表するなど、現在でも「The Boss」のニックネームにふさわしい圧倒的な存在感で、アメリカのロック界を牽引しています。
そんなブルース・スプリングスティーンの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点はご了承ください。
ブルース・スプリングスティーンのアルバムを聴いてみたいけれど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
ブルース・スプリングスティーンのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価点の基準
評価点の基準は、以下の通りです。
| 評価点 | 基準 |
|---|---|
| 1.0 〜 2.0 | 駄作のアルバム |
| 2.0 〜 3.0 | 普通のアルバム |
| 3.0 〜 4.0 | 良作のアルバム |
| 4.0 〜 4.5 | 最高傑作のアルバム |
| 4.5 〜 | 歴史的名盤 |
ブルース・スプリングスティーン アルバムランキング
Human Touch
評価: 2.5
1992年に発売された9作目のアルバムで、「Lucky Town」と同時発売されました。
当初は1991年にリリースされる予定でしたが延期され、その後「Lucky Town」の制作に取りかかったため、両方のアルバムを同日にリリースすることになりました。
これまでスプリングスティーンのバック・バンドを務めていたEストリート・バンドが1989年に解散したため、本作では、ランディ・ジャクソンやジェフ・ポーカロなどのスタジオ・ミュージシャンが演奏を担当しています。
そのためか、演奏はきっちりと作り込まれており、スプリングスティーンの個性が薄れてしまったようにも感じられます。
本作も全米チャート3位、全英チャート2位を記録するなどヒットしましたが、スプリングスティーンのファンの間では、「Lucky Town」とともに評判があまり高くない作品とされています。
Lucky Town
評価: 2.6
1992年に発売された10作目のアルバムで、「Human Touch」と同時発売されました。
「Human Touch」と比較すると、よりシンプルでフォークを基調としたサウンドで、歌詞もより個人的な内容となっており、スプリングスティーンの人生における具体的な出来事に焦点を当てています。
そのため地味な印象を受けますが、時代の先端をいくサウンドとは異なるため、古びることなく末永く付き合っていけるような内容となっています。
本作では、オープニングの3曲(「Better Days」「Lucky Town」「Local Hero」)が力強く、強力なアルバムであることを印象づけますが、その後の楽曲がやや尻すぼみになったことで、過小評価されてしまったように感じます。
その点が惜しまれる作品です。
The Ghost of Tom Joad
評価: 2.7
1995年に発売された11作目のアルバムで、1982年の「Nebraska」以来、2枚目のアコースティック作品です。
アコースティックギターの演奏が中心で、1990年代半ばのアメリカとメキシコでの生活を陰鬱に描いた内容となっています。
アルバムタイトルの「トム・ジョード」は、小説「怒りの葡萄」の主人公で、映画化もされました。
サウンド面ではポップな要素がなくなり、アコースティック主体の暗い楽曲が多いため、「Nebraska」と同様に退屈に感じられるかもしれません。
しかし、この手のサウンドには熱狂的なファンもおり、スプリングスティーンの最高傑作の1枚と評価する人もいます。
このように、好き嫌いがはっきり分かれるアルバムといえます。
We Shall Overcome: The Seeger Sessions
評価: 2.8
2006年に発売された14作目のアルバムで、活動家でありフォーク・ミュージシャンでもあるピート・シーガーの楽曲をカバーした作品です。
本作は、他者が書いた楽曲を取り上げることで、地域に根付いた歴史的な音楽の魅力を広く伝えることを制作背景としています。
原曲を聴いたことがないため、どの程度忠実にカバーされているかは分かりませんが、マンドリンやバンジョーなどを用いた、陽気なカントリー・ミュージック調のサウンドが展開されています。
また、スプリングスティーンのコルツネック農場で録音されていることから、楽しみながらレコーディングが行われた様子がうかがえます。
パーティーに合いそうなカントリー・ミュージックを楽しみたい人には、最適なアルバムです。
Only the Strong Survive
評価: 2.9
2022年に発売された21作目のアルバムで、2006年発表の「We Shall Overcome: The Seeger Sessions」に続く2枚目のカバー作品です。
本作にはR&Bやソウルの楽曲が収録されており、コモドアーズ、テンプテーションズ、ベン・E・キング、ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスなど、懐かしさあふれる優れた選曲がされています。
スプリングスティーンは、オリジナル曲でもゴスペルやコーラスを取り入れるなど、ソウル好きであることがうかがえましたが、本作のカバーを聴くと、そのソウルへの深い愛情がよりはっきりと伝わってきます。
ソウルの楽曲においても、スプリングスティーンの歌声は力強く輝いています。
本作は、スプリングスティーンのアメリカン・ロックを求める人には不向きで、ソウル好きの人に向けた作品です。
Devils & Dust
評価: 3.0
2005年に発売された13作目のアルバムで、スプリングスティーンにとって3枚目のアコースティック作品です。
本作に収録された楽曲の多くは、10年以上前に書かれたものであることをスプリングスティーン自身が明らかにしています。
アコースティック作品の1作目「Nebraska」と2作目「Devils & Dust」のような、アコースティック・ギターとハーモニカを中心とした演奏に加え、本作ではホーンやピアノ、キーボード、ベース、ドラムなども取り入れられており、聴きやすいアレンジが施されています。
そのため、スプリングスティーンのアコースティック作品の中では最も一般受けしやすく、入門編としても最適なアルバムです。
売れ線のサウンドではありませんが、この聴きやすさゆえに、全米チャート、全英チャートともに1位を記録しました。
Nebraska
評価: 3.1
1982年に発売された6作目のアルバムで、基本的にアコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りで構成された異色作です。
いくつかの楽曲では多少のオーバー・ダビングが行われており、オルガンやエレクトリックギターも演奏されています。
本作は、スプリングスティーンの自宅の寝室で4トラックレコーダーを使って17曲が録音され、そのうち10曲が収録されました。
ほとんどの曲では、「失敗を重ねる普通のブルーカラー労働者の物語」が語られていますが、タイトル曲「Nebraska」では、「殺人犯チャールズ・スタークウェザーの物語」も歌われています。
静かにしみじみと歌うスプリングスティーンのボーカルが印象的ですが、似通った曲が多いため、最初は退屈に感じられるかもしれません。
しかし、聴けば聴くほど味わい深さが増し、多くのアーティストや音楽評論家から絶賛されている作品です。
Greetings From Asbury Park アズベリー・パークからの挨拶
評価: 3.2
1973年に発売されたブルース・スプリングスティーンの記念すべきデビューアルバムで、ニューヨーク州ブラウベルトにある低価格のスタジオで制作されました。
低価格スタジオでの録音ということもあり、音質はそれほど良くはありませんが、それでもスプリングスティーンの圧倒的な歌唱力が発揮されています。
初期のスプリングスティーンは、「第二のディラン」と呼ばれていた通り、本作でも「Mary Queen of Arkansas」のように、ボブ・ディランの影響を強く感じさせるフォークロックが収録されています。
それでも、「明日なき暴走」へとつながる楽曲も存在し、スプリングスティーンの今後の音楽性も感じさせます。
本作はヒットこそしなかったものの、スプリングスティーンの強烈な存在感を示した良作といえます。
High Hopes
評価: 3.25
2014年に発売された18作目のアルバムで、過去のアルバムやツアーの楽曲のカバー、アウトテイク、リメイクのみで構成された初の作品です。
エレキギターを前面に押し出した派手なアレンジが特徴的ですが、アウトテイク集であるため、統一感はあまりありません。
しかし、どのようなアルバムでもヒットを記録してきたスプリングスティーンだけに、本作も全米チャート、全英チャートで1位を獲得し、日本でも洋楽アルバムチャートで1位を記録しました。
本作制作時、スプリングスティーンは65歳でしたが、まったく衰えを感じさせず、1970年代や1980年代のパワーを思わせる力強い内容に仕上がっています。
Working on a Dream
評価: 3.3
2009年に発売された16作目のアルバムで、「The Rising」「Magic」と続く三部作の最後にあたる作品です。
この3枚のアルバムは、ロックサウンドやコンセプト、作曲スタイルなどの共通点から、三部作として括られています。
本作は、三部作の中でも特にポップス要素が強く、最も聴きやすい内容となっています。
また、長年スプリングスティーンのバックバンドを務めてきたEストリート・バンドの創設メンバーであるダニー・フェデリチが、2008年4月に亡くなったことにより、本作はフェデリチにとって最後の参加アルバムとなりました。
このように、さまざまな面で締めくくりとなる作品ですが、音楽評論家からはあまり芳しい評価を得られず、2000年代のスプリングスティーンのアルバムの中では最も低い評価となりました。
それでも本作は、多くの国のチャートで1位を記録するなど、セールス面では好成績を維持しました。
The Rising
評価: 3.4
2002年に発売された12作目のアルバムで、前作「The Ghost of Tom Joad」から約7年ぶりとなる作品です。
スプリングスティーンの華々しい復活作として称賛され、全米チャート1位を獲得し、グラミー賞を2部門で受賞するなど、その存在感を改めて示しました。
本作のタイトル曲「The Rising」では、2001年9月11日の同時多発テロ事件を題材に、消防士がワールドトレードセンターを登っていく物語が歌われています。
また、「The Fuse」はヒップホップのリズムを取り入れた、実験的な要素を持つ楽曲となっています。
さらに、かつてのバック・バンドであるEストリート・バンドが約20年ぶりに復活し、充実した演奏を楽しむことができます。
このように話題性のある作品でありながら、全体的には穏やかで優しい雰囲気に包まれており、スプリングスティーンの柔らかな一面が感じられる内容となっています。
Tunnel of Love
評価: 3.5
1987年に発売された8作目のアルバムで、前作のメガヒット・アルバム「Born in the U.S.A.」に続くヒット作です。
しかし、サウンドは前作の1980年代らしいアレンジやパワーあふれる作風とは異なり、派手さが薄れ、全編にブルース・サウンドを取り入れています。
また、一部のバンド演奏を除き、スプリングスティーン自身がドラムマシンやシンセサイザーを演奏しています。
歌詞はより難解になり、私生活の変化やジュリアン・フィリップスとの破綻した結婚生活、うまくいかなかった愛などが歌われています。
このように前作とは作風が大きく異なりますが、それでもシングル・カットされた「Brilliant Disguise」や「Tunnel of Love」などのヒット曲を生み出し、アルバム自体も全米チャート、全英チャートで1位を記録するヒット作となりました。
Wrecking Ball
評価: 3.6
2012年に発売された17作目のアルバムで、スプリングスティーンの作品の中でも特に怒りに満ちた内容となっています。
本作は2008年の金融危機に対する怒りを背景に、厳しい経済状況の中で苦闘する人々が描かれています。
そのため、ハートランド・ロックの要素が強く表れています。
サウンド面では、フォーク・ロックやアイルランド音楽、ゴスペル、ヒップホップ、ジャズ・トランペットなどを取り入れた、多彩な内容となっています。
このように本作は力強さにあふれた作品であるため、オープニング・ナンバーの「We Take Care of Our Own」は、バラク・オバマ大統領の選挙キャンペーンの主要曲の一つとして使用されました。
なお、Eストリート・バンドのサックス奏者であるクラレンス・クレモンズは2011年に亡くなっており、本作が最後の参加作品となりました。
Letter to You
評価: 3.65
2020年に発売された20作目のアルバムで、スプリングスティーンの熟練したサウンドを楽しめる作品です。
本作は、スプリングスティーンの元バンドメイトであるジョージ・ティースの死に触発されて制作されており、歌詞では後悔や老い、死といったテーマが扱われています。
サウンド面では、デモを作らずにライブ感覚で録音する手法が採られていますが、演奏には緻密さも感じられます。
2010年代のスプリングスティーンの作品は、1970年代や1980年代の勢いを取り戻し充実していましたが、2020年代最初の本作でも、その充実ぶりは継続されています。
全体として、スプリングスティーンの温かみと熟練ぶりが感じられる良作であり、2020年代の活動にも期待が持てる内容となっています。
Darkness on the Edge of Town 闇に吠える街
評価: 3.7
1978年に発売された4作目のアルバムで、前作「明日なき暴走」から約3年ぶりにリリースされた作品です。
この長いブランクには、前作の共同プロデューサーを務めていたマイク・アペルとの法的闘争があり、ほぼ1年間スタジオでレコーディングできなかったという背景がありました。
本作は、そのような事情をものともせず、前作以上の力強さを発揮しています。
ホーンセクションを抑え、ギターを中心としたサウンドへ方向転換しており、バンド全体を強調したハードロック色の強い内容となっています。
映画や小説、パンク、カントリー・ミュージックなどからインスピレーションを得たとされ、前作よりも商業性の低い仕上がりとなっています。
そのため、前作より売上は落ちましたが、それでも全米チャート5位を記録し、後年にはブルース・スプリングスティーンの最高傑作の一つとして高く評価されることになりました。
Western Stars
評価: 3.8
2019年に発売された19作目のアルバムで、全曲を収録したドキュメンタリー映画も公開され、スプリングスティーンの監督デビュー作となりました。
音楽はアメリカ西部を彷彿とさせるもので、スプリングスティーンは「このアルバムは、グレン・キャンベルやバート・バカラックといったアーティストを含む、1970年代の南カリフォルニアのポップミュージックに影響を受けている」と述べています。
また、オーケストラ・アレンジを特徴としており、壮大で映画的な内容となっています。
そのため、スプリングスティーンの尖った要素は控えめで、雄大で穏やかな雰囲気に包まれています。
齢を重ねてもなお、チャレンジ精神あふれる作品を制作し続けるスプリングスティーンの意欲には、敬服せざるをえません。
Magic
評価: 3.9
2007年に発売された15作目のアルバムで、久々に力強さが戻ったロック作品です。
前作や前々作がアコースティックやカントリー寄りのサウンドであったのに対し、本作ではエレキギターやヘビーなEストリート・バンドの演奏が強調されており、1980年代のスプリングスティーンの勢いを感じさせます。
また歌詞面では、アメリカ社会の現状に対する幻滅を表現した楽曲もあり、社会的なテーマも扱われています。
年齢とともに円熟味を増した渋い作品も魅力的ですが、やはりスプリングスティーンには、永遠のロックスターとして派手なロックを続けてほしいと願ってしまう、そんな内容となっています。
この原点回帰ともいえるアルバムは、当然ながらセールス面でも好調で、全米チャート、全英チャートで1位を獲得したほか、世界各国のチャートでも上位にランクインしました。
The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle 青春の叫び
評価: 4.0
1973年に発売されたセカンド・アルバムで、前作のフォーク・ロック路線から離れ、ロック、ソウル、フォーク、ファンク、ジャズなど幅広いジャンルを取り入れた作品です。
スプリングスティーンの歌声はもちろん、バックで演奏を務める「Eストリート・バンド」の見事な演奏によって、活気に満ちたサウンドが展開されています。
オープニング・ナンバーの「The E Street Shuffle」からホーン・セクションを大胆に取り入れ、ワイルドなロックンロールを感じさせます。
このようなロックンロール色の強い楽曲だけでなく、「New York City Serenade」のようにロマンチックな一面も見せており、スプリングスティーンの音楽性の幅広さを示しています。
前作と同様に大きなヒットには至りませんでしたが、音楽評論家からは絶賛され、隠れた名盤といえる作品です。

The River
評価: 4.2
1980年に発売された5作目のアルバムで、スプリングスティーン初の2枚組作品です。
パーティーに合いそうなノリの良い曲と、スローテンポの厳粛な曲で構成されており、「静」と「動」がはっきりとした内容になっています。
本作には、スプリングスティーン初の全米チャート・トップ10入りを記録した「Hungry Heart」が収録されているほか、「Fade Away」や「The River」など、数々のシングルヒットが生まれました。
また、「Roulette」ではスリーマイル島原発事故をテーマにしており、のちに政治的なシンガーソングライターとしての側面を強めていくことを予感させます。
サウンド面では、これまでのアメリカン・ロックにポップな要素も加えられ、聴きやすさが増していることや、スプリングスティーンのボーカルにパンク・ロックやニュー・ウェーブの影響が見られる点が特徴的です。
このように、本作はスプリングスティーンの転換点となる重要な作品であり、商業的にも全米チャート1位、全英チャート2位を記録するなど、大きな成功を収めました。

Born in the U.S.A.
評価: 4.4
1984年に発売された6作目のアルバムで、3000万枚以上を売り上げた大ヒット作です。
さらに、7曲がシングルカットされ、すべてが米国チャートのトップ10入りを果たしました。
本作は、これまでのスプリングスティーンの作品とは異なり、シンセサイザーやスネアドラムを多用した、1980年代らしい派手なアレンジが施されています。
前作「ネブラスカ」がアコースティック演奏を主体とした渋い作品だったのに対し、本作は正反対の仕上がりとなっています。
「ネブラスカ」制作時期に作られたデモテープの楽曲も収録されており、アレンジが異なるだけで、これほどまでに雰囲気が変わるのかと驚かされます。
サウンド面では、ロックンロールやハートランド・ロックに加え、ポップな要素も取り入れられており、1980年代にマッチしたヒット性の高い内容となっています。
ブルース・スプリングスティーンの入門編として最適なアルバムです。

Born to Run 明日なき暴走

評価: 4.6
1975年に発売された3作目のアルバムで、ブルース・スプリングスティーンの最高傑作の一つであり、ロック界の名盤に数えられる作品です。
「ボブ・ディランのような詩、フィル・スペクターのような音作り」を目指して制作されたと言われており、その理想とした音楽性が本作に詰まっています。
前2作は音楽評論家から高い評価を受けたにもかかわらず、商業的には成功しなかったため、本作ではメインストリームへ進出し、商業的にも成功するアルバムを作ろうと試みました。
その結果、長期間にわたるレコーディングが行われ、タイトル曲「Born to Run」は制作に6か月を要しました。
その努力が実り、全米チャートで3位を記録する大ヒットとなりました。
アメリカン・ロックを体現した作品として、今なお親しまれている古典的なアルバムです。
その他のアルバム
- レコーディング・セッション中に録音された未発表曲を中心に収録した4枚組のボックスセットで、1998年にリリースされました。
- シングルのB面曲やデモ音源、既発表曲の別バージョンなども含まれており、全66曲が収録されています。アウトテイクであっても、どれも質の高い楽曲ばかりで、聴きごたえがあります。
- コアなファン向けの作品ではありますが、アコースティック・バージョンの「Born in the U.S.A.」や、ライブで演奏されることの多い「My Love Will Not Let You Down」など、初心者でも楽しめる楽曲も収録されています。
Tracks
- 「Tracks」の続編として、1983年から2018年の間に録音された未発表曲を収録した7枚組のボックスセットで、2025年にリリースされました。
- 7枚のディスクは7つのテーマ別に分かれており、例えば「LA Garage Sessions ’83」には「ネブラスカ」と「ボーン・イン・ザ・USA」の間の時期の作品、「Somewhere North of Nashville」にはカントリー・ロック、「Twilight Hours」にはメランコリックな楽曲などが収録されています。
- スプリングスティーンは「中にはミキシングの段階まで進んでいながらリリースされなかったものもある」と語っており、未発表曲集でありながらも、良質な楽曲が数多く収録されています。
Tracks II: The Lost Albums
おすすめのライブ・アルバム
- 1975年から1985年にかけて行われたさまざまなコンサートで録音されたライブ・アルバムで、全40曲が収録されています。1986年のリリース当時は、5枚組のレコードとして発売されました。
- 5枚組にもかかわらず、全米チャートで1位を記録し、アメリカで2番目に売れたライブ・アルバムとなりました。
- スプリングスティーンとEストリート・バンドが圧倒的なテンションで押し切っており、さすがスプリングスティーンと思わせる圧巻の名演の数々を楽しむことができます。
Live/1975-85
- MTVの「アンプラグド」シリーズの一環として、1992年9月22日にロサンゼルスのワーナー・ハリウッド・スタジオで収録されたライブ・アルバムです。
- オープニング・ナンバーの未発表曲「Red Headed Woman」はアコースティックギターによる演奏ですが、その後はアンプを使用した楽器で演奏されており、実質的には「アンプラグド」とは異なる内容となっています。
- 「ヒューマン・タッチ」と「ラッキー・タウン」のツアー時期のライブであるため、この2枚のアルバムからの選曲が中心となっています。そのため、スプリングスティーンの代表曲は収録されていませんが、スタジオ・アルバムとは異なる魅力があります。
In Concert/MTV Plugged
- 2006年11月にアイルランドのダブリンにあるポイント・シアターで録音された、ブルース・スプリングスティーン・ウィズ・ザ・シーガー・セッションズ・バンドのツアー公演を収録したライブ・アルバムです。
- ピート・シーガーのカバー・アルバム「We Shall Overcome: The Seeger Sessions」からの選曲が中心となっているため、バンジョーなどを用いたカントリー風のアレンジが施されています。
- 「Eyes on the Prize」や「When the Saints Go Marching In」など、スタジオ・アルバム未収録のアメリカン・フォークのカバー曲も収録されており、スプリングスティーン・ファンにとっては聴いておきたいライブ・アルバムの1枚です。
Bruce Springsteen with The Sessions Band: Live in Dublin
おすすめのベスト・アルバム
- ブルース・スプリングスティーン初のベスト・アルバムで、1975年リリースの「明日なき暴走」から1992年リリースの「ラッキー・タウン」までの収録曲に加え、映画「フィラデルフィア」のサウンドトラックからの楽曲や新曲4曲が収録されています。
- ヒット・シングルや人気曲が数多く収められており、スプリングスティーンの基本を押さえるには最適なベスト・アルバムです。
- 新曲の「Murder Incorporated」と「This Hard Land」は、「ボーン・イン・ザ・USA」のアウトテイクで、コンサートでも頻繁に演奏されていました。
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ブルース・スプリングスティーンの音楽
ブルース・スプリングスティーンの音楽は、大きく「詩的なロックンロール」「ハートランド・ロック」「アコースティック」「ポップス」「成熟したロック」に分けられ、時代によってスタイルは大きく変化しています。
しかし、さまざまな音楽性がありながらも、アメリカの労働者階級の現実を描いている点は共通しています。
ブルース・スプリングスティーンのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【詩的なロックンロール】
- Greetings from Asbury Park, N.J アズベリー・パークからの挨拶(1973年):上級者向け
- The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle 青春の叫び(1973年):初心者向け
- Born to Run 明日なき暴走(1975年):初心者向け
- Darkness on the Edge of Town 闇に吠える街(1978年):中級者向け
【ハートランド・ロック】
- The River(1980年):初心者向け
- Born in the U.S.A.(1984年):初心者向け
- The Rising(2002年):中級者向け
- Magic(2007年):初心者向け
- Wrecking Ball(2012年):中級者向け
- High Hopes(2014年):中級者向け
【アコースティック】
- Nebraska(1982年):上級者向け
- The Ghost of Tom Joad(1995年):上級者向け
- Devils & Dust(2005年):中級者向け
【ポップス】
- Human Touch(1992年):上級者向け
- Lucky Town(1992年):上級者向け
- Working on a Dream(2009年):中級者向け
【成熟したロック】
- Tunnel of Love(1987年)):初心者向け
- Western Stars(2019年):中級者向け
- Letter to You(2020年):中級者向け
【その他(カバー・アルバム)】
- We Shall Overcome:The Seeger Sessions(2006年):上級者向け
- Only the Strong Survive(2022年):上級者向け
まとめ
最後に、ブルース・スプリングスティーンのアルバムのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | Born to Run 明日なき暴走 | 4.6 |
| 2位 | Born in the U.S.A. | 4.4 |
| 3位 | The River | 4.2 |
| 4位 | The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle 青春の叫び | 4.0 |
| 5位 | Magic | 3.9 |
| 6位 | Western Stars | 3.8 |
| 7位 | Darkness on the Edge of Town 闇に吠える街 | 3.7 |
| 8位 | Letter to You | 3.65 |
| 9位 | Wrecking Ball | 3.6 |
| 10位 | Tunnel of Love | 3.5 |
| 11位 | The Rising | 3.4 |
| 12位 | Working on a Dream | 3.3 |
| 13位 | High Hopes | 3.25 |
| 14位 | Greetings From Asbury Park アズベリー・パークからの挨拶 | 3.2 |
| 15位 | Nebraska | 3.1 |
| 16位 | Devils & Dust | 3.0 |
| 17位 | Only the Strong Survive | 2.9 |
| 18位 | We Shall Overcome: The Seeger Sessions | 2.8 |
| 19位 | The Ghost of Tom Joad | 2.7 |
| 20位 | Lucky Town | 2.6 |
| 21位 | Human Touch | 2.5 |
1970年代~1980年代前半のアルバムを上位にランキングしましたが、それ以降のアルバムにも良作が多くあります。
ブルース・スプリングスティーンのアルバムは、「Human Touch」以降の作品をこれまで聴けていなかったため、今回ランキングを行うにあたり、初めて視聴しました。
1990年代以降のアルバムにはあまり期待していなかったのですが、今回視聴してみて、良作が多いことに驚かされ、これまで聴いてこなかったことを後悔しました。
私のように1980年代以前のアルバムしか聴いていない方も多いのではないかと思いますが、ブルース・スプリングスティーンのアルバムはどれも魅力がありますので、上記のランキングを参考に、多くの作品に触れていただきたいと思います。
次回は、ロック界のレジェンド第39弾として、ニューヨーク・ロングアイランド出身の社会派ヒップホップ・グループ、Public Enemyの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。