Yes(イエス) 1969年-1980年のアルバムランキング
前回は、ピンク・フロイドの全アルバム ランキングをしましたので、今回は、5大プログレバンドの第三弾として、イエスの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
イエスの音楽は、他の5大プログレバンドと比較して、「アート要素が強い」、「演奏技術が高い」、「曲が長い」、「難解な歌詞」といった特徴を持っています。
名盤と言われている「こわれもの」や「危機」は比較的分かりやすい作品ですが、「海洋地形学の物語」や「リレイヤー」は、難解でとっつきにくいと感じるかもしれません。
しかし、難解なアルバムに感じたとしても、あきらめずに聞き続けていくと、味が出てきて、良さが分かってきます。
また、イエスは、メンバ変動が激しいことも特徴で、1990年頃には、1970年代のプログレッシブ・ロックをやっていたメンバと、1980年代のポップスをやっていたメンバとで、分裂してしまい2つのイエスが存在していたこともありました。
イエスは、1968年結成から、現在まで、定期的にアルバムを発表しており、20枚以上のスタジオアルバムを発売しています。
アルバムの枚数が多いため、前編と後編の2回に渡り、ランキングをしたいと思います。
今回は、前編として、1969年のファースト・アルバムから、1980年の「ドラマ」までのアルバムをランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
イエスのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、イエスのアルバムの評価やおすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
イエス アルバムランキング 1969年〜1980年
Tormato
評価: 2.5
1978年発売の9作目のアルバムで、時代の変化とともに、コンパクトな曲が増え、「危機」や「海洋地形学の物語」のような大作の曲が無くなってしまいました。本作では、「Future Times」と「Release, Release」ぐらいが、プログレッシブ・ロックを感じますが、その他は、ポップな曲が多くを占めています。特に、「Don’t Kill The Whale」や「Arriving UFO」は、今までのイエスでは考えられないくらいの分かりやすいポップな曲となっています。そのためか、イエスのアルバムの中では、あまり評判が良くないアルバムです。
Yes イエス・ファースト・アルバム
評価: 2.7
1969年発売のイエスの記念すべきファースト・アルバムです。ファースト・アルバムとセカンド・アルバムは、プログレッシブ・ロックではなく、アート・ロックと呼ばれていました。ジャケットとは裏腹に、重い曲が多く、昔のハードロックに近い曲や、フージョン系の曲が収録されています。まだ、スティーブ・ハウが加入する前のアルバムであるため、プログレッシブ・ロックのギターとは異なりますが、ハードなギター演奏を聴くことができます。
The Yes Album イエス・サード・アルバム
評価: 2.8
1971年発売の3作目のアルバムで、ギターが、ピーター・バンクスから、スティーブ・ハウに変わって制作されたアルバムです。ファースト・アルバムとセカンド・アルバムは、商業的に失敗しましたが、このアルバムが起死回生となり、商業的に成功し始めます。スティーブ・ハウの加入によって、演奏技術が向上し、音楽性に深みと緻密さが出て、本作から、本格的にプログレッシブ・ロックに変化していきます。「I’ve Seen All Good People」や「Starship Trooper」は、イエスのライブで度々演奏されており、イエスを代表する曲です。
Drama
評価: 2.8
1980年発売のアルバムで、ジョン・アンダーソンと、リック・ウェイクマンが脱退し、代わりにバグルスのトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズが加わったアルバムです。前作「Tormato」はポップなアルバムでしたが、このアルバムは、以前のプログレッシブ・ロックに戻ったアルバムです。ボーカルが、ジョン・アンダーソンではないため、イエスのアルバムの中では、マイナーなアルバムですが、各楽曲の質は高く、ジョン・アンダーソンのボーカルに酷似しているため、違和感なく聴けるアルバムです。
Time and a Word 時間と言葉
評価: 2.9
1970年発売のセカンド・アルバムで、ファースト・アルバムと同様、アート・ロックに属するアルバムです。ファースト・アルバムの延長線上にあり、商業的には失敗したものの、オーケストラや管楽器を導入して、クラシックとの融合を図ったことで、壮大な作品に仕上がっています。特に、アルバム名にもなっている「Time and a Word」は、曲の良さに加え、最後のオーケストラの盛り上がり方が素晴らしい作品です。
Going for the One 究極
評価: 3.0
1977年発売の8作目のアルバムです。前作「Relayer」で脱退したリック・ウェイクマンが復帰したアルバムですが、プログレッシブ・ロック全盛期のようなサウンドではなくなり、メロディアスで分かりやすい曲が増えています。ジャケットも今までのロジャー・ディーンから、ヒプノシスのでデザインに変わり、新たなイエスを感じさせます。ラスト・ナンバーの「悟りの境地」は、神秘的な壮大な曲で、イエスの集大成のような作品です。ポップス要素の強いアルバムであるため、難解な曲はなく、Yesの入門アルバムとしては、最適なアルバムです。
Tales from Topographic Oceans 海洋地形学の物語
評価: 3.5
1973年発売の6作目のアルバムで、2枚組4曲という大作志向が強い難解なアルバムであるため、理解できるまでは、良さが分からない作品です。キーボードのリック・ウェイクマンは、この長く難解な曲に嫌気がさし、イエスを脱退してしまいます。しかし、何度も聴いていくうちに、毎回色々な発見があり、聴けば聴くほど良さが分かってくるスルメ的なアルバムです。そのため、数回聴いて挫折してしまった人は、良さが分かるまで聴いてもらいたいアルバムです。
次は、3位 → 1位 です。
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