レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 2006-16年のアルバム(「Stadium Arcadium」「I’m with You」「The Getaway」)の紹介・評価
レッド・ホット・チリ・ペッパーズが、2022年4月1日に6年ぶりとなるアルバム『Unlimited Love』の発売を記念して、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアルバムを、紹介・評価しています。
前回は、中期アルバム「Blood Sugar Sex Magik」〜「By the Way」を紹介・評価しましたので、今回は、後期のアルバム(「Stadium Arcadium」「I’m with You」「The Getaway」)を紹介・評価していきます。
楽曲の評価点は、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
レッチリのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、レッチリのアルバムの評価を知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下になりました。
No | 作品 | 評価点(10点満点) |
---|---|---|
1 | Stadium Arcadium | 6.0点 |
2 | I’m with You | 6.57点 |
3 | The Getaway | 5.54点 |
評価の詳細は、以下の通りです。
評価詳細
Stadium Arcadium
【Disc1】
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Dani California | 2枚組大作の1曲目は、「Californication」「By the Way」の延長線のような曲ですが、サビは、ハードな仕上がりで、ギターはハードロック系の音に変化しています。全体的にこのアルバムのギターは、ハードロック系の音になっています。ファースト・シングルカットされた曲です。 | 6点 |
2 | Snow ((Hey Oh)) | 最初は、アコギのようなギターで静かに始まり、途中、ベースが入ってくる辺りから静かに盛り上がっていきます。ハードロック系のギターソロもなく全体的に静かな曲です。シングルカットされた曲です。 | 6点 |
3 | Charlie | カッティングギターのファンク系の曲で、昔のレッチリを思い出させる曲です。ハードロック系のギターが途中絡んできて、カッティングギターとハードロック系ギターが混ざりあい、かっこいい曲です。 | 7点 |
4 | Stadium Arcadium | アルバムタイトル名にもなっているこの曲は、バラード系の静かな曲です。メロトロンに似たキーボードの音も入っています。 | 6点 |
5 | Hump De Bump | 最初のカッティングギターや前面に出てくるベースの音が昔のレッチリを彷彿させます。昔のレッチリのように勢いに任せて最後まで突き抜けるような感じではありませんが、ファンク色の強い曲で、途中、ホーンも入ってきます。シングルカットされた曲です。 | 7点 |
6 | She’s Only 18 | ベース、ワウワウギター中心の曲です。ワウワウギターは、ハードロック系のギターも入っており、特にギターソロは、ハードでファンキーです。 | 6点 |
7 | Slow Cheetah | アコギ1本の静かなボーカルから始まります。全体的に静かな曲ですが、ラストは、エレキギターに変わり、盛り上がって曲が終了します。 | 5点 |
8 | Torture Me | ゾクゾクするベース音から始まり、ハードなギターが入ってきます。このアルバムの中では、一番ハードでかっこいい曲です。 | 8点 |
9 | Strip My Mind | スローテンポの重い曲で、ギターソロも、スローテンポで重く、ブルースっぽい曲です。 | 4点 |
10 | Especially In Michigan | ギター中心の曲で、バックでギターが唸っていて、面白い曲です。全体的にヘビーな曲ですね。 | 7点 |
11 | Warlocks | ベースが中心のファンキーな曲で、曲調やボーカルは、昔のレッチリっぽいです。このアルバムは、ファンキーな曲が増えて嬉しいです。 | 6点 |
12 | C’mon Girl | 静かなベースのリフから始まりますが、サビではかなりラウドなサウンドに変わります。重低音のギターがカッコいいです。もちろんギターソロもかっこいいです。 | 7点 |
13 | Wet Sand | 「Californication」「By the Way」の頃の曲調に近いバラード曲ですが、最後の盛り上がりのギターは、このアルバム独特のギター音です。 | 5点 |
14 | Hey | 今までのレッチリにはない渋い曲調で、ギターのリフ、ギター音が独特です。フージョンのギターの音に近いですね。ギターソロはハードロックしています。 | 6点 |
【Disc2】
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Desecration Smile | アコギ中心の「Californication」「By the Way」の頃から定番になってきたレッチリらしいバラード曲です。シングルカットされた曲です。 | 5点 |
2 | Tell Me Baby | ベース中心のファンキーな曲で、久々にレッチリ節のHip-Hopのボーカルが披露されています。アルバム「Blood Sugar Sex Magik」に入っていてもおかしくないような曲です。この曲もシングル・カットされています。 | 6点 |
3 | Hard To Concentrate | バックにマンドリンのような音が入った静かなバラード曲です。ギターも静かに演奏されています。 | 5点 |
4 | 21st Century | ベースとカッティングギターの静かめなファンキーな曲調で始まりますが、サビでは盛り上がっていきます。ギターがワウワウギターに変わっていきます。 | 6点 |
5 | She Looks To Me | この曲もバラード曲ですが、ボーカルに呼応するように、バックでギターが唸っています。ギターの音は、ハードロック系でかっこいいです。 | 6点 |
6 | Readymade | ベース、ギター中心の曲で、出だしのギター音からして、ハードロックな曲かと思いましたが、サビは静かめで、それほどハードな展開はありません。ただ、ギターソロは、ハードロックしてます。 | 6点 |
7 | If | あまりレッチリには見られない曲調の牧歌的でほのぼのとした曲で、ギターとベースだけで、歌い上げています。特に盛り上がりはなく、淡々と演奏されています。 | 5点 |
8 | Make You Feel Better | ギター演奏は控えめのベース中心の曲で、ボーカルのメロディの良さが特徴の曲です。最後は、ギターも前面に出てきて最高潮の盛り上がりで終了します。 | 7点 |
9 | Animal Bar | この曲も、ギター演奏は控えめのベース中心で、ボーカルのメロディを味える曲です。サビは、かなり迫力のあるボーカルです。 | 7点 |
10 | So Much I | 高速のカッティングギターがかっこいい曲です。Dsic2になって、後半はダレていくかと思いましたが、ここにきて盛り上がりの曲を入れてダレさせないところは流石です。 | 7点 |
11 | Storm In A Teacup | かっこいいベースに、レッチリ節のHip-Hopのボーカルが入ったファンキーな曲です。この曲も、「Tell Me Baby」と同様、アルバム「Blood Sugar Sex Magik」に入っていてもおかしくないような曲です | 6点 |
12 | We Believe | 変わったギター音に、変わったボーカルで、全体的に不思議な曲です。このアルバムの中では、はずれ曲ですね。 | 4点 |
13 | Turn It Again | カッティングギター中心のファンキーな始まりで、途中からハードロック系のギターに変わり、最後は、メタルに近い激しさになります。このようなハードな曲調のレッチリはかっこいいですね。 | 7点 |
14 | Death Of A Martian | ラストは、ファンキーな曲か、バラード曲で終わるかと思いましたが、どちらでもなかったです。少しバラードっぽいですが、「Californication」「By the Way」の延長線のような曲です。 | 5点 |
平均点 | 6.0点 |
このアルバムは、今までのレッチリの音を詰めた集大成的なアルバムです。ギターは、今までのレッチリにはないハードロック系の音が特徴です。
2枚組であるため、同じような曲調だと最後まで聞くのは辛いかと思いましたが、バラエティ豊かなアルバムであるため、最後まで飽きずに聞けます。
I’m with You
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
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1 | Monarchy of Roses | 「Stadium Arcadium」と同じハードなギターから始まるため、このアルバムは、ハードロック系なのかと思いましたが、途中から、軽快なカッティングギターの曲調になります。1曲目としては上出来で、期待できるアルバムの予感がします。シングルカットされた曲です。 | 8点 |
2 | Factory of Faith | ベース中心の始まりから、少しHip-Hopが入ったボーカルが乗っかってきます。ギターは、ワウワウ系ですが、Dsico系の軽快な曲です。 | 7点 |
3 | Brendan’s Death Song | 最初のアコギ1本で歌われるボーカルは、今までにない味わいのあるボーカルです。途中からエレキギターに変わりますが、ボーカルはそのまま味わい深いです。最後の盛り上がり方が素晴らしいです。 | 7点 |
4 | Ethiopia | この曲もベースから始まり、ファンキーなギターと、ボーカルが絡んできますが、不思議なボーカル曲です。全体的に、ファンキーな曲です。 | 5点 |
5 | Annie Wants a Baby | 重いベースとドラムから始まるので、全体的に暗く重く感じる曲です。このアルバムのギターは「Stadium Arcadium」と同じハードロック系のギターかと思いましたが、この曲のギターを聞くと、ちょっと明るみ帯びた音になっていて変化を感じます。 | 5点 |
6 | Look Around | ノリの良い軽快なギターに、少しHip-Hopが入ったボーカルが乗ってきます。ギターはカッティングギターですが、このカッティングギターがとてもかっこいいです。シングルカットされた曲です。 | 8点 |
7 | The Adventures of Rain Dance Maggie | 口ずさみたくなるベースのメロディから始まり、ギターが、これまたハードでファンキーで、しかもメロディアスです。明るく分かりやすい曲であるため、ファーストシングルカットされました。 | 7点 |
8 | Did I Let You Know | ギターはハードではありませんが、リフが覚えやすくカッコいいです。途中、トランペットが入るため、ファンキーでFusionっぽい曲ですね。シングルカットされた曲です。 | 6点 |
9 | Goodbye Hooray | ギターがとてもハードですが、とてもメロディアスです。このハードさとメロディアスさがマッチしていて、心地よく、ノリノリにもなれる曲です。しびれます。 | 9点 |
10 | Happiness Loves Company | レッチリには、珍しいピアノ中心の曲です。ベン・フォールズ・ファイブの曲を思い出してしまいました。 | 5点 |
11 | Police Station | 渋いバラードですね。このバラード曲は、「Californication」「By the Way」の頃とは違った感じで、新境地を感じます。 | 7点 |
12 | Even You Brutus? | ブルース調で、なんだかレッチリらしくない渋い曲です。ギターのワウワウ感が、これまた、渋さを増しています。 | 6点 |
13 | Meet Me at the Corner | 静かなバラード曲です。ハードなギターも入ってこず、ボーカルのメロディで勝負している曲です。良いメロディです。 | 6点 |
14 | Dance, Dance, Dance | 曲名からするとDisico系の曲を想像しましたが、南国のダンス曲っぽいです。アルバム「By The Way」の「Cabrón」にも少し似ています。ハードロック系のギターソロもかっこいいです。 | 6点 |
平均点 | 6.6点 |
「Stadium Arcadium」の延長線上のアルバムですが、「Stadium Arcadium」よりもメロディアスな曲が増えています。
このアルバム、とても良いと思いましたが、他のアルバムと比較すると、あまり売れていないのですね。「One Hot Minute」にしても、私の好きなレッチリのアルバムは売れないのでしょうか。
The Getaway
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | The Getaway | 1曲目にしては、静かな始まりで、派手な演奏はなく、少しDisco系のサウンドが入っています。女性のバックコーラスも入っており、今までのアルバムとは違うことを予感させる曲です。 | 6点 |
2 | Dark Necessities | ベース中心の曲ですが、レッチリには珍しいピアノも入ってきて、ピアノソロもあります。「Stadium Arcadium」と「I’m with You」は、派手なギターでしたが、控えめなギターに変化しています。 | 6点 |
3 | We Turn Red | 重いギター中心の曲で、Hip-Hopが少し入っています。暗く重い曲ではありますが、ザビは明るめで、美しいメロディです。 | 5点 |
4 | The Longest Wave | サビ以外は、静かなギターに、静かなボーカルが入ってくるバラード曲です。サビは、少し盛り上がりますが、全体的に静かな曲です。 | 6点 |
5 | Goodbye Angels | ギター中心の曲で、美しいメロディを奏でるギターに、レッチリらしいボーカルが乗ってきます。途中のベースとギターソロは、派手に演奏されています。 | 6点 |
6 | Sick Love | この曲も、派手な演奏はなく、静かな曲です。所々に、ピアノやシンセサイザーが入ってきます。ギターソロも静かに演奏されています。 | 5点 |
7 | Go Robot | ベース中心の曲ではありますが、曲名が表しているように、シンセサイザーの音が目立つDisco調の曲です。今までのレッチリにはない新境地の曲です。 | 5点 |
8 | Feasting on the Flowers | ギター中心の曲ですが、この曲もピアノやシンセサイザーが目立つ曲です。特に後半は、ピアノがかなり入ってきます。レッチリの派手な演奏を求めている人には、物足りなさを感じるかと思います。 | 4点 |
9 | Detroit | スローテンポで重い曲ですが、派手なギターが復活したかっこいい曲です。やっぱり、レッチリは、ハードな曲の方が似合っていますね。 | 6点 |
10 | This Ticonderoga | このアルバムの中では、最もハードな曲です。派手なハードロック系のアップテンポのギターが、とてもカッコいいです。途中、ピアノが入りスローテンポになってしまうので、最後までハードさを続けて欲しかったです。 | 7点 |
11 | Encore | 静かな曲に戻りました。ギターとキーボードが絡む曲で、ボーカルが美しいバラード曲です。ギターが、Jazzギターのようで心地良いですね。 | 6点 |
12 | The Hunter | ピアノ中心の曲で、レッチリの新境地を感じさせる曲です。スローテンポのギターのメロディが印象深いです。 | 5点 |
13 | Dreams of a Samurai | 出だしのピアノや女性の高音コーラスは、レッチリの曲には思えませんが、その後は、ピアノ音はなくなってしまい、通常のギター、ベース、ドラム演奏になります。今までのレッチリにはない女性のバックコーラスが特徴的な曲です。 | 5点 |
平均点 | 5.5点 |
プロデューサーが変わってしまった影響か、派手さはなくなり洗練された曲が多くなりました。そのため、スリル感がなくなり、面白みがなくなってしまいました。
ギターの派手さがなくなってしまった代わりに、ピアノやシンセサイザーのキーボードが目立つ曲が増えました。
まとめ
3回に渡り、レッチリの全アルバムを紹介・評価してきました。
私は、ファンキーな曲やハードな曲が好きなため、「Californication」「By the Way」よりも、「Mother’s Milk」「One Hot Minute」「I’m with You」の方が、高い評価になってしまいました。
高く評価したアルバムは、売れ路線のアルバムではなくマニア向けのアルバムであるため、世間一般の評価とは異なるかと思いますので、私的な評価としてとらえてもらえればと思います。
2022年4月1日に発売される『Unlimited Love』は、どのようなサウンドになるのか楽しみです。
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