レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 1984-89年のアルバム(「The Red Hot Chili Peppers」「Freaky Styley」「The Uplift Mofo Party Plan」「Mother’s Milk」)の紹介・評価
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(レッチリ)が、2022年4月1日に6年ぶりとなるアルバム『Unlimited Love』の発売を記念して、レッチリの全アルバムを、紹介・評価していきたいと思います。
レッチリの1990年〜2000年初頭のアルバムは、昔、よく聴いていたましたが、それ以前とそれ以降のアルバムは未聴であったため、今回、この機会に全アルバムを聴いてみました。
レッチリは、ファンク、ハードロック、パンク、Hip-Hopなど、あらゆるジャンルの音楽をごちゃ混ぜにしたミクスチャー・ロックとして有名なバンドでしたが、1999年発売のアルバム「Californication」以降は、あまり、ミクスチャー・ロックという感じはなくなり、売れ路線のロックに変化していっています。
そんなレッチリの全アルバムを聴いた感想と評価をしていきたいと思います。
今回は、初期の1980年代のアルバム4枚(「The Red Hot Chili Peppers」「Freaky Styley」「The Uplift Mofo Party Plan」「Mother’s Milk」)を紹介します。
楽曲の評価点は、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
レッチリのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、レッチリのアルバムの評価を知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下になりました。
No | 作品 | 評価点(10点満点) |
---|---|---|
1 | The Red Hot Chili Peppers | 5.0点 |
2 | Freaky Styley | 6.15点 |
3 | The Uplift Mofo Party Plan | 5.75点 |
4 | Mother’s Milk | 6.77点 |
評価の詳細は、以下の通りです。
評価詳細
The Red Hot Chili Peppers
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | True Men Don’t Kill Coyotes | ファンク系の曲で、レッチリ節のHip-hopで歌っています。既に、レッチリの原型が出来上がっている曲ですね。重低音のドラムとギターがかっこいいです。シングル・カットされている曲です。 | 7点 |
2 | Baby Appeal | 演奏はギター、ベース中心ですが、少しおとなしめで、あまり面白みのない曲です。 | 3点 |
3 | Buckle Down | ギター中心の曲で、「んー、ハッ♪」というボーカルが特徴的で耳に残ります。ギターのソロがかっこいいですね。 | 5点 |
4 | Get Up and Jump | 激しい縦ノリのギターと、絶え間なく続くベースが、これぞレッチリといったとてもかっこいい曲です。このアルバムのベストな1曲です。 | 8点 |
5 | Why Don’t You Love Me | ファンク系の曲で、80年代を感じさせるホーン音のシンセが入っています。レッチリには合わない曲に思えました。 | 3点 |
6 | Green Heaven | ノイジーなギター音から始まり、ゆっくりとしたリズムで、終始、レッチリ節のHip-Hopで歌われている曲です。 | 3点 |
7 | Mommy Where’s Daddy | Saxなど管楽器が入っていていて、ジャズっぽい曲ですが、ユニークな女性ボーカル「マーミー♪」が耳に残ります。不思議な曲ですね。 | 6点 |
8 | Out in L.A. | オリジナルメンバーが初めて作った曲で、縦ノリギター、前面に出ているベース音、早口Hip-hopとレッチリらしい曲です。 | 6点 |
9 | Police Helicopter | 1分ちょっとと短い曲ですが、最初っから、激しい縦ノリのギターと速いベース音が、かっこいい曲です。 | 7点 |
10 | You Always Sing The Same | この曲も、20秒程度の短い曲で、曲名通り、同じ歌詞がづっと続きます。 | 4点 |
11 | Grand Pappy Du Plenty | 10曲目までは、軽い曲が多かったですが、この曲はずっしりと重く遅いダークなインストの曲です。 | 3点 |
平均点 | 5.0点 |
レッチリのファーストアルバムで、あまり評価が高くないアルバムですが、捨て曲があるもののレッチリの音が既に出来上がっていて、平均的なアルバムではないかと思います。
ジャケットが、落書きっぽい一つ目小僧が描かれていていてB級感が表れていますね。
Freaky Styley
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Jungle Man | 重低音のベース音から始まり、分かりやすいサビのメロディや途中のギターソロと、出だしの曲としては、良い曲かと思います。シングル・カットされている曲です。 | 6点 |
2 | Hollywood(Africa) | ギターリフがかっこよく、途中ホーンが入ってくるあたりが、ソウル・ファンクを感じさせる曲です。 | 7点 |
3 | American Ghost Dance | Hip-Hopの歌に、ホーンが乗って、途中縦ノリのギターが入ってきます。全体的にベースが強調されていて、ファンキーな曲ですね。 | 6点 |
4 | If You Want Me to Stay | スライ&ザ・ファミリー・ストーンのカバー曲で、原曲を忠実にカバーしています。まさにブラック・ファンクな曲で、白人のバンドの演奏には感じないですね。 | 7点 |
5 | Nevermind | レッチリ節のHip-Hopで、ホーンの効いたパワーのあるレッチリらしい曲です。ギター、ベースがかっこいいです。 | 7点 |
6 | Freaky Styley | ドラム、ベースが中心のリズミカルな曲です。あまりメーロディーのないボーカルですが、この曲もファンキーでかっこいい曲です。 | 6点 |
7 | Blackeyed Blonde | 速いカッティングギター、ベース音で始まり、途中、ワウワウギター音が入ったりと、ファンキーな曲が続きます。終始、ベース音が速いです。このアルバムでベストな1曲です。 | 8点 |
8 | The Brothers Cup | 少し落ち着いたホーン中心の曲で、ボーカルは、レッチリ節のHip-Hopです。後半のカッティングギター、ベース音は相変わらずかっこいいです。 | 6点 |
9 | Battle Ship | 2分弱の短い曲ですが、最初からボーカル、ベース、ドラムが飛ばしていて、途中のギターソロも速く、ファンキーです。 | 6点 |
10 | Lovin’ and Touchin’ | 40秒たらずのソウルを感じさせるバラード曲です。 | 5点 |
11 | Catholic School Girls Rule | 今までのブラックなファンキーな曲とは異なり、パンク調の曲です。パンク調の曲もギターがかっこいいです。この曲も2分に満たない短い曲です。 | 6点 |
12 | Sex Rap | 曲名通り、ファンキーなHip-Hopな曲です。全体的に速い曲で、ギターソロは、ワウワウギターで演奏されています。 | 6点 |
13,14 | Thirty Dirty Birds〜Yertle the Turtle | 「Thirty Dirty Birds」は、曲ではなく語りのみです。「Yertle the Turtle」は、ワウワウギターとホーンの上にHip-Hopが乗ってくる曲で、途中からメロディのある歌が入ってきます。 | 4点 |
平均点 | 6.2点 |
プロデューサーはファンク界の大御所ジョージ・クリントンであるため、かなりブラックなファンク色の強いアルバムです。
キラーチューンはないものの捨て曲もなく、前作「The Red Hot Chili Peppers」から成長が伺えるアルバムです。
The Uplift Mofo Party Plan
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Fight Like a Brave | ハードなギターと、Hip-Hopのボーカルで、前作「Freaky Styley」ほどの黒さはありません。先行シングル・カットされた曲です。 | 5点 |
2 | Funky Crime | この曲もギター中心で、テンポが遅いファンキーな曲です。一部ボーカルにボーコーダーが使用されています。 | 5点 |
3 | Me & My Friends | 始まりのベースがかっこよく、「ミーマミーマ、ミーマミーマ、ミーマミーマ フレンズ♪」のボーカルが入ってきます。白人のファンキーさを持った曲です。 | 6点 |
4 | Backwoods | 出だしからギターリフがかっこいい曲です。ベースも前面に出てきて、このアルバムでベストな1曲です。ライブの定番曲でもあります。 | 7点 |
5 | Skinny Sweaty Man | 小刻みのドラムから始まり、レッチリらしい速いHip-Hopのボーカル曲です。カッティングギターもかっこいいです。 | 7点 |
6 | Behind the Sun | この時代のレッチリには珍しいバラード曲で、シングル・カットされた曲です。ソウルフルなバラードではなく、ノリのいいバラードですね。 | 6点 |
7 | Subterranean Homesick Blues | Bob Dylanのアルバム「Bringing It All Back Home」に収録されていた曲のカバーですが、縦ノリのHip-Hopのアレンジがされていますので、曲名を聞かなければ、Bob Dylanのカバー曲だと分からないと思います。 | 6点 |
8 | Party On Your Pussy(Special Secret Song Inside) | ごちゃごちゃとしたミクスチャーな曲で、女性ボーカルも入っています。単調なギターリフが特徴的な曲です。 | 4点 |
9 | No Chump Love Sucker | この曲のボーカルは、相変わらずのレッチリ節が炸裂していますが、ギターがハードでかっこよく、ハードロックと言っても良いような曲です。 | 7点 |
10 | Walkin’ on Down the Road | ブルースっぽいギター音に、ファンキーなベースが入ってきて、この曲もミクスチャーな曲で、ごちゃごちゃ感があります。 | 5点 |
11 | Love Trilogy | ベース中心のゆっくりとしたおとなしめの曲です。途中のかっこいいチョッパーベースソロから徐々に曲が速くなっていき、最後はハードロックっぽくなっていきます。 | 5点 |
12 | Organic Anti-Beat Box Band | 最後は、レッチリらいしいファンキーなHip-Hopな曲で、締めくくられます。 | 6点 |
平均点 | 5.8点 |
このアルバムもファンキーなアルバムですが、前作「Freaky Styley」のような黒さはなく、ハードロックなファンキーなアルバムです。
最初で最後のオリジナルフルメンバーによるアルバムで、ファーストアルバム「The Red Hot Chili Peppers」に近いサウンドです。そのためか、ジャケットもファーストアルバムのジャケットに近いですね。
Mother’s Milk
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Good Time Boys | いきなり激しいベース音とギターから始まり、重厚なサウンドに突入します。ボーカルは、レッチリ節のHip-Hopです。1曲目で、このアルバムは期待できることを感じさせます。 | 8点 |
2 | Higher Ground | スティーヴィー・ワンダーのカバー曲で、ハード・ロックにアレンジしています。原曲のキーボードのメロディーを、ベースやギターで演奏しており、出だしのベースは最高にかっこいいです。シングルカットされ、スマッシュヒットしました。 | 7点 |
3 | Subway to Venus | 高速縦ノリギター、ファンキーなホーン、レッチリ節のHip-Hopボーカルとレッチリの良さが詰まった曲です。ギターとホーンの攻めぎあいに迫力があり、最後はハードロックなギターソロで終わり最高潮に達します。このアルバムでベストな1曲です。 | 9点 |
4 | Magic Johnson | 速いドラムに、速いボーカルで始まり、終始速い曲で、途中、カッティングギターが入ります。このカッティングギターがかっこいい。レッチリのよくあるふざけた感じの曲ですね。 | 6点 |
5 | Nobody Weird Like Me | 速いベースから始まり、メタルに近い迫力のあるギターが入ってきます。この曲は、メタルと言ってもいい曲ですね。メタル好きにはたまらない曲です。 | 7点 |
6 | Knock Me Down | メロディアスなボーカル曲です。先行シングルカットされた曲で、ザビのメロディは覚えやすく、レッチリには珍しい曲です。ギターも迫力があり、かっこいいです。 | 8点 |
7 | Taste the Pain | 出だしは、ベースが効いたスローな感じで始まりますが、途中のサビは、少し速くなり、さらにベースが効いてきます。この曲もシングルカットされました。トランペットも入ってきたりとミクスチャーな不思議な曲です。 | 5点 |
8 | Stone Cold Bush | この曲も速い曲です。テクニカルなベースソロとギターソロが聞きどころですね。 | 7点 |
9 | Fire | ジミー・ヘンドリックスのカバー曲ですが、このアルバムには合っていないように思えます。ギターは、かっこいいです。 | 6点 |
10 | Pretty Little Ditty | レッチリには珍しいアコースティック・ギターっぽい音に、途中でホーンが入ってくる美しい曲です。 | 6点 |
11 | Punk Rock Classic | このアルバムで最も高速な曲で、ハードロックな曲です。よくこんなに速く歌えるもんだと感心します。ラストでガンズの曲のギターリフが入ります。 | 7点 |
12 | Sexy Mexican Maid | ミドルテンポの曲で、このアルバムの中では、おとなしめの普通な曲です。 | 5点 |
13 | Johnny, Kick a Hole in the Sky | ベースが効いている中で、ワウワウなギターが絡んできたり、女性っぽいボーカルが途中に入ってきたりとバラエティ豊かな曲です。ボーカルもメロディアスです。 | 7点 |
平均点 | 6.8点 |
このアルバムは、レッチリのファンキーでミクスチャー・ロック時代の最高傑作だと思っています。かなり迫力があります。
ジョン・フルシアンテが入っきたアルバムで、そのためかギター音が今までと比べてかなりハードになっています。
まとめ
レッチリの初期のアルバムは、最近の落ち着いた感じのレッチリとは異なり、ファンキーでミクスチャー・ロックの見本となるようなアルバムでした。
最近の大人なロックのアルバムもいいですが、若さ溢れる派手な初期のアルバムは、聴きごたえがありました。
次回は、1990年代〜2000年初頭のアルバムを紹介・評価していきたいと思います。
この時代のアルバムは、ちょうど、ミクスチャー・ロックから、現在のサウンドに変化していったアルバムですので、その過程を楽しめるかと思います。
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