Plectrumelectrum
評価: 3.25
2014年に発売された36作目のアルバムで、プリンスのバックバンド 3rdeyegirl が参加した唯一の作品です。
本作は「Art Official Age」と同時発売されましたが、「Art Official Age」がクラシックなプリンス・サウンドであるのに対し、
本作は女性ボーカルをメインにハードロックを展開した作品です。
シンセサイザーや打ち込みはほとんど使用されておらず、バンド形式の骨太なハードロック演奏が中心で、プリンスの歪んだハードなギターを聴くことができます。
2000年代のプリンスのアルバムはパッとしない作品が多かったですが、ここにきて「Art Official Age」と合わせて良作を発表してくれました。
本作は全米チャート8位、全英チャート11位を記録する、久々のヒット作となりました。
Emancipation
評価: 3.3
1996年に発売された19作目のアルバムで、EMIレコードからリリースされた最初の作品です。
ワーナー・ブラザース・レコードとの契約から解放されたことで、本作には、これまで収録できなかった他アーティストのカバー曲が4曲収録されています。
その中でも、特にスタイリスティックスのカバー曲「Betcha by Golly Wow!」はシングルカットされ、日本でもヒットしました。
1990年代に入ってからのプリンスのアルバムは、リズムを中心としたヒップホップを取り入れた最先端のサウンドが特徴でしたが、本作ではソウルフルなサウンドへと変化しています。
本作は3枚組で発売され、1枚あたり約60分、合計で3時間に及ぶ大作となっています。
そのため、ソウル・ミュージックが好きな人には、十分に堪能できるアルバムです。
Dirty Mind
評価: 3.35
1980年に発売された3作目のアルバムで、前作「愛のペガサス」から一転、ニューウェーブやファンクに変化した作品です。
1980年代の音楽を先取りするかのようにニューウェーブ色が強く、ロックへのアプローチも見られます。
歌詞は前作以上に性的表現が多く過激であり、ジャケットからもその傾向がうかがえます。
特に「シスター」では、過激な歌詞にパンクの要素を取り入れ、プリンスの新たな音楽性を感じさせます。
本作は後のプリンスの音楽性につながるサウンドでありながら、アルバム全体として非常に聴きやすく、親しみやすさも持っています。
そのため、プリンス初心者にも聴きやすいアルバムとなっています。
Come
評価: 3.4
1994年に発売された15作目のアルバムで、シンプルな1単語の曲名が特徴的な作品です。
本作は、ファンクやジャズ要素が強く、都会の夜ににあうような渋い曲が多く収録されています。
ジャズの帝王マイルス・デイビスが、1984年にアルバム「TUTU」を発表しますが、このアルバムは、当初、プリンスが共同プロデュースを行う予定でした。
結局、マーカス・ミラーがプロデュースを行いましたが、本作を聴くとマイルス・デイビスの音楽性に通じるところがあり、プリンスとマイルス・デイビスが繋がりがあったことが分かります。
プリンスのアルバムの中では、かなりマイナーなアルバムですが、ジャズが好きな人にも聴いてもらいたい作品です。
尚、ラスト・ナンバー「Orgasm」は、音を小さくして、聴くことをおすすめします。
理由は、聴いてみてのお楽しみです。
The Vault: Old Friends 4 Sale
評価: 3.45
1999年に発売された22作目のアルバムで、ワーナー・ブラザースからリリースされた最後の作品です。
本作の収録曲は1985年から1996年にかけてレコーディングされており、1999年になってようやく日の目を見ることができました。
本作はジャズ要素が強く、前半はビッグバンド形式の華やかで楽しいジャズ、後半は渋く大人のジャズが展開されています。
この時代のプリンスはプロモーションのためのツアーを行なっていなかったため、本作はほとんどプロモーションされず、売上は振るいませんでした。
しかし、売上とは裏腹に内容は充実しており、ジャズやフュージョン、ビッグバンドが好きな人には最適のアルバムです。
このアルバムでも、プリンスの多才さを感じることができ、クインシー・ジョーンズのようなビッグバンド形式のジャズもこなせることに感心させられます。
Musicology
評価: 3.5
2004年に発売された28作目のアルバムです。
2000年代に入ってからのプリンスは、インストゥルメンタル中心のアルバムなど、商業的な売上をあまり意識しない作品を制作していましたが、本作は久々のヒット作となりました。
プリンスのボーカルも復活し、ファンキー、ソウル、バラード、ヒップホップなど、プリンスらしい多彩な音楽が戻ってきました。
ジェームズ・ブラウンを彷彿させるファンキーな「Musicology」では、グラミー賞最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞を受賞し、
美しいバラード「Call My Name」では、グラミー賞最優秀男性R&Bボーカルパフォーマンス賞を受賞するなど、世間的にも高く評価されました。
2000年代のプリンスのアルバムの中でも、上位に位置付けられる傑作です。
HITnRUN Phase One
評価: 3.55
2015年に発売された38作目のアルバムで、前作「Art Official Age」の延長線上にある、エレクトロを多用した作品です。
本作はプリンス生前の最後から2番目のアルバムで、翌年にプリンスが亡くなるとは誰も予想できなかったと思います。
プリンスが亡くなる前年に発表されたとは思えないほど完成度が高く、全体がエレクトロニックを駆使したカッコいいファンクやダンス系の曲で占められています。
2010年代に入ってからのプリンスのアルバムは、いずれも意欲的な良作ばかりで、本作もその例に漏れず、プリンスの創造力と完成度の高さを強く感じさせる作品です。
Art Official Age
評価: 3.6
2014年に発売された37作目のアルバムで、古巣ワーナー・ブラザースと再契約を結び、「Plectrumelectrum」と同時発売された作品です。
「Plectrumelectrum」は女性ボーカルを主体としたハードロック・アルバムでしたが、本作はクラシックなプリンスの音楽に最新技術を取り入れ、洗練された完成度の高いサウンドを作り上げています。
ノリの良いディスコ・サウンドから、メロウなバラード、ファンク、ソウル、R&Bまで、どれをとってもプリンスらしく、2000年代の低迷期から脱したことが感じられる良作です。
「Plectrumelectrum」と同様に売上も好調で、全米チャート5位、全英チャート8位を記録するヒット作となりました。
Planet Earth
評価: 3.65
2007年に発売された32作目のアルバムです。
2000年代のプリンス作品には、落ち着いたネオ・ソウル調のアルバムが多く見られましたが、本作は、ノリの良いポップスやロックを中心に構成された作品となっています。
シングルカットされた「Guitar」が本作を物語っており、タイトル通りギターが炸裂するロックンロール・ナンバーです。
アルバム全体としてはロックやポップス寄りの曲が多い中で、「Somewhere Here on Earth」のようなジャジーで大人の雰囲気を持ったバラードも収録されており、
テンポの良い楽曲一辺倒に終わらないところに、プリンスらしいバランスを感じさせてくれます。
前作「Musicology」や「3121」と比較すると売り上げはやや落ち込んだものの、2000年代のプリンスのアルバムの中では、「Musicology」と並んで高く評価できる良作です。
Graffiti Bridge
評価: 3.7
1990年に発売された12作目のアルバムで、プリンスが脚本・監督・主演を務めたロック・ミュージカル「グラフィティ・ブリッジ」のサウンドトラックです。
映画はイマイチでしたが、音楽は素晴らしく、ポップス要素の強い分かりやすい曲が多く収録されています。
本作の収録曲のほとんどが、昔プリンスが書き溜めていた曲を収録しているため、本作のために制作した新曲は2曲しかありません。
それでも、どの曲も聴き応え十分で、音圧・音質もよく、プリンスの隠れた名作と言ってよいぐらいの良作です。
音楽評論家からの評判も良く、全英チャート1位、全米チャート6位を記録するなど、売上も好調でした。
1990年代に入ってもプリンスの音楽の衰えは感じさせず、1990年代もプリンスの快進撃が続いていくことを期待させるアルバムです。
次は、10位 → 1位 です。