The Rainbow Children
評価: 2.75
2001年に発売された24作目のアルバムで、発音不可能な記号名義からプリンス名義に戻った作品です。
本作は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに触発されたユートピア社会を目指す架空のストーリーを描いたコンセプト・アルバムで、プリンスのスピリチュアルな内面が表現されています。
ジャケットからも分かる通り、プリンスのアルバムの中でもジャズやゴスペルの要素が強く、プリンスらしい実験的なジャズを展開しています。
そのためか、前作までの打ち込み中心のデジタルサウンドからバンド形式の演奏が増え、温かみのある曲が多く収録されています。
プリンスのアルバムの中では異色の作品ですが、2000年代に入っても音楽的探究心や創造力の衰えをまったく感じさせない、完成度の高いアルバムとなっています。
The Truth
評価: 2.8
1997年に発売された21作目のアルバムです。
前作「Crystal Ball」は当時ボックスセットで発売されていましたが、そのうちDisc1〜Disc3が「Crystal Ball」に、Disc4が本作「The Truth」として分割されました。
前作「Crystal Ball」は統一感のない寄せ集め的なアルバムでしたが、本作はアコースティック演奏を中心とした静かな曲が収録されており、統一感があります。
プリンスの大人の雰囲気を味わうことができ、アンプラグドであっても十分魅力的であることを証明しています。
静かな夜にひとりでお酒を飲みながら聴きたい、そんなアルバムです。
20Ten
評価: 2.85
2010年に発売された35作目のアルバムです。
プリンス自身「今年は本当に重要な年だと思った。今は非常に厳しい時期だからだ」と語っている通り、2010年代最初のこのアルバムには、プリンスの気合いが感じられます。
本作は、1960年代〜1970年代のソウル、1980年代のポップス、1990年代のディスコの要素を混ぜ合わせたサウンドで、どこか懐かしさを感じさせます。
しかし、気合いは感じられるものの、空回りしている印象もあり、音楽評論家の間でも賛否が分かれました。
それでも、2010年代に入りベテランの域に達したプリンスらしい、安定感のある良作です。
Welcome 2 America
評価: 2.9
本作は2010年にレコーディングされてお蔵入りしていましたが、プリンスの死去から5年後の2021年に発表されました。
ニュー・パワー・ジェネレーションのメンバーやタル・ウィルケンフェルド、リス・コールマンなどが参加しています。
派手な演奏はなく、スローテンポの静かなファンキーな曲やソウルフルな曲が多く、落ち着いたプリンスの音楽を楽しむことができます。
お蔵入りした理由は明らかではありませんが、決して出来の悪いアルバムではありません。
本作のリリースはプリンス自身の望むところではなかったかもしれませんが、ファンとしては新たな音源を聴けることに感謝したいアルバムです。
Around the World in a Day
評価: 2.95
1985年に発売された7作目のアルバムで、ザ・レボリューション名義としては2作目にあたります。
大ヒットした前作「パープル・レイン」とは作風を大きく変え、サイケデリック色の強い内容となっています。
これまでのプリンスの写真が使われたジャケットとは異なり、絵画を用いたジャケットからも、サイケデリックな雰囲気がうかがえます。
サイケデリックと言っても、1960年代の難解なサイケデリックとは異なり、1980年代らしい分かりやすい曲が多く収録されています。
そのため、本作は賛否両論でしたが、売上は好調で、全米チャート1位を記録しました。
シングルカットされた「Raspberry Beret」と「Pop Life」も全米チャートTOP40入りを果たし、ヒットしました。
また「Condition of the Heart」は美しいピアノのバラードで、どことなくデヴィッド・ボウイを彷彿とさせ、個人的なおすすめ曲です。
プリンス流サイケデリックを展開した、珍しいアルバムです。
Lotusflow3r
評価: 3.0
2009年に発売された33作目のアルバムで、プリンスのギターを中心とした作品です。
インストゥルメンタルの曲、ソウルフルな曲、ファンキーな曲、そしてバラード曲など、多彩なジャンルの曲が収録されていますが、どの曲もプリンスのギターが演奏されています。
1980年代のギターとは違い、どことなくサンタナのギターを彷彿させるようなギターが特徴的です。
プリンスには珍しいカバー曲も収録されており、「Crimson and Clover」は、トミー・ジェイムス・アンド・ザ・ションデルズが1968年に発表した作品です。
このアルバムを聴くと、プリンスは大人の熟練したアルバムやジャジーなアルバムよりも、ハードなギターの方がよく合うように感じさせられます。
The Chocolate Invasion
評価: 3.05
2004年に発売された29作目のアルバムで、収録曲は「The Dance」を除き、2001年にプリンスの公式ウェブサイト「NPG Music Club」で配信された楽曲で構成されています。
ジャケットからも分かる通り、本作はダンス系のリズムにソウルを融合させたようなサウンドですが、派手なダンス・ミュージックとは異なり、大人の雰囲気を感じさせる渋いネオ・ソウルのような作風となっています。
プリンスのボーカルはあまり目立っていませんが、随所に挿入されるハードなギターが、アルバム全体に良いアクセントを与えています。
プリンスのソウルやクラブ系の曲が好きな人向けのアルバムです。
The Slaughterhouse
評価: 3.1
2004年に発売された30作目のアルバムで、前作「The Chocolate Invasion」の姉妹作にあたる作品です。
このアルバムも、前作と同様、2001年に制作された曲で構成されており、CDでは発売されておらず「NPG Music Club」からダウンロードする形式で発売されました。
前作はソウルフルなディスコ系のサウンドでしたが、本作はよりヒップホップ寄りになり近代的なサウンドとなっています。
アルバム名が不気味ですが、このアルバム名はオープニング・ナンバー「Silicon」の歌詞の一節「Welcome 2 the slaughterhouse」から取られています。
なお、「2045: Radical Man」は、スパイク・リーの映画「バンブーズルド」のサウンドトラックとして2001年にリリースされました。
前作「The Chocolate Invasion」とセットで聴いてもらいたいアルバムです。
Love Symbol
評価: 3.15
1992年に発売された14作目のアルバムで、ニュー・パワー・ジェネレーション名義としては2作目にあたります。
本作の正式なアルバム名は、ジャケットに描かれている記号で、プリンスはこの記号に「Love Symbol #2」という名前を付けました。
前半はジャズやヒップホップ色の強い曲が多く、リズムとホーンセクションを主体とした演奏にヒップホップの要素を取り入れています。
当初は、アルバム全体にさまざまなセリフを挿入した「ファンタジー・ロック・ソープオペラ」として構想されていたことから、それがセリフではなくヒップホップへ変化したのではないかと想像できます。
一方、後半はソウルフルなバラード曲が多く、前半と後半でサウンドの雰囲気が大きく異なっています。
1990年代らしいサウンドではありますが、ヒップホップが苦手な人には好みが分かれそうなアルバムです。
本作は全米チャート5位、全英チャート1位を記録するヒットとなりました。
Batman
評価: 3.2
1989年に発売された11作目のアルバムで、映画「バットマン」のサウンドトラックとして制作されました。
通常のサウンドトラックとは異なり、実際に映画で使用された曲はあまりなく、映画「バットマン」にインスピレーションを受けた作品として捉えることができます。
映画がヒットしたこともあり、全米チャート6週連続1位を記録するなど大ヒットし、プリンスのアルバムの中では「パープルレイン」に次ぐ、2番目に売れたアルバムとなりました。
シングルカットされた「バットダンス」は、ダンサンブルなリズムに映画のセリフをサンプリングしたシンプルな曲で、
プリンスのボーカルはあまり入っていないにもかかわらず、全米チャートで1位を記録する大ヒットとなりました。
全体的にリズムを重視したシンプルな演奏が特徴的で、1980年代末から1990年代初頭に流行ったサウンドを取り入れています。
次は、20位 → 11位 です。