Foo Fightersのアルバム 紹介・評価
前回のFoo Fighters(フー・ファイターズ)のアルバム 紹介・評価 Part.1に引き続き、今回は、Part.2として、「Echoes, Silence, Patience & Grace」「Wasting Light」「Sonic Highways」「Concrete and Gold」「Medicine at Midnight」の5枚のアルバムを紹介、評価していきます。
評価点は、個人的な独断と偏見で、各曲に点数をつけて、評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
フー・ファイターズのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、フー・ファイターズのアルバムの評価やおすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下の通りです。
No | 作品 | 評価点(10点満点) |
---|---|---|
1 | Echoes, Silence, Patience & Grace | 6.25点 |
2 | Wasting Light | 7.09点 |
3 | Sonic Highways | 7.13点 |
4 | Concrete and Gold | 6.09点 |
5 | Medicine at Midnight | 6.0点 |
評価の詳細は、以下を参照ください。
評価詳細
Echoes, Silence, Patience & Grace
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | The Pretender | アコースティックな静かなイントロから、一気にストレートなハード・ロックに変化する曲です。このアルバムが、ハード・ロック系のアルバムだと予感させるオープニング・ナンバーです。ファースト・シングルカットされた曲です。 | 8点 |
2 | Let It Die | この曲も、アコギの静かな始まりから、一気に、ハード・ロックに突入していきます。突然、大音量になるため、音量には要注意です。この曲もシングル・カットされた曲です。 | 6点 |
3 | Erase/Replace | このアルバムの中で、最もギター・リフがかっこいい曲です。アップ・テンポのギター・リフに対して、サビがスロー・テンポであるため、そのコントラストが面白い曲です。 | 7点 |
4 | Long Road to Ruin | 売れ路線を狙った爽快な曲です。ポップなメロディーを持つキャッチーな曲であるため、セカンド・シングルカットされました。 | 7点 |
5 | Come Alive | 優しさの溢れた美しいアコギのイントロから、終盤に向けてハード・ロックな曲に進んでいきます。前半の静のパートと、後半の動のパートがはっきりとした曲です。 | 6点 |
6 | Stranger Things Have Happened | 前作「In Your Honor」のアコースティック・サイドの流れを汲んだアコギ1本の曲です。アコギのソロ演奏があり、味わい深い曲です。 | 5点 |
7 | Cheer Up, Boys (Your Make Up Is Running) | 軽快なギター・リフを持つキャッチーな曲です。ファースト・アルバムあたりの曲調に通じるものがあります。キャッチーな曲のため、シングル・カットされました。 | 8点 |
8 | Summer’s End | 全体的に落ち着いた曲ですが、中間のギターソロは、ハードさが出ています。 | 5点 |
9 | Ballad of the Beaconsfield Miners | アコギのテクニックを披露しているインストゥルメンタルの曲で、高速なアコギの演奏が聞けます。カントリー風の曲です。 | 5点 |
10 | Statues | ピアノとアコギのアコースティックな美しい曲です。前半は、フー・ファイターズには珍しくピアノが中心に展開され、後半はギター中心へと切り替わっていきます。 | 6点 |
11 | But, Honestly | アコギ中心のアコースティックなイントロから、後半は、フー・ファイターズらしいキャッチーなハードな曲へと発展していきます。終盤のハードな演奏が、メロディアスで、美しさを感じます。 | 7点 | 12 | Home | ラスト・ナンバーは、ピアノ中心の静かなバラード曲です。オープニング・ナンバーは、ハードな曲で、ラスト・ナンバーは静かなバラード曲というのが、このアルバムを象徴しています。 | 5点 |
平均点 | 6.3点 |
前作「In Your Honor」は、ロックとアコースティックを完全に分離したアルバムでしたが、このアルバムは、それを、1つに混ぜ合わせたようなアルバムです。
1つの曲の中にも、ピアノやアコギのアコースティックなパートと、ハードなパートが混在しています。
Wasting Light
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Bridge Burning | レッド・ホット・チリ・ペッパーズを感じさせるギターリフに、シャウトなボーカル。このイントロで、やられてしまいます。オープニングに相応しいアップテンポの曲で、シングルカットされました。 | 7点 |
2 | Rope | ギター・リフが、初期のアルバム「Foo Fighters」や「The Colour and the Shape」を思い出させる曲で、フー・ファイターズらしいメロディアスなサビを持っています。ファースト・シングルカットされた曲です。 | 8点 |
3 | Dear Rosemary | ブルース・ハードロック調の渋い曲です。1曲目〜3曲目の流れが、素晴らしいです。 | 7点 |
4 | White Limo | イントロのスラッシュ・メタルを感じさせるギター・リフからノリが良く、そこにシャウト・ボーカルがのってきて、迫力満点の曲です。セカンド・シングルカットされ、グラミー賞の最優秀ハードロック/メタルパフォーマンス賞を受賞しています。 | 9点 |
5 | Arlandria | ミドル・テンポの骨太ロックな曲です。サビは、フー・ファイターズらしいメロディアスさがあり、聞きやすい作品です。このメロディアスさから、シングル・カットされています。 | 6点 |
6 | These Days | イントロは、静かなバラード曲ですが、中間部からハードになっていきます。このアルバムの中では、落ち着いた曲で、この曲もシングル・カットされました。 | 7点 |
7 | Back & Forth | ザクザクなギターから、ハードなサビへ繋げていく構成が素晴らしい曲です。ザクザクなギターとは正反対に、柔らかさのあるギターソロが、これまた、かっこよさがあります。 | 7点 |
8 | A Matter of Time | この曲もザクザクなギターから始まりますが、前曲よりも、キャッチーな曲です。シングル・カットされていませんが、シングル・カットされてもおかしくないぐらいのキャッチーな曲です。 | 7点 |
9 | Miss the Misery | スローテンポのヘビーなグルーヴ感のある曲で、インダストリアルが加わったメロディアスな作品です。 | 6点 |
10 | I Should Have Known | 管楽器が使用された静かな美しいイントロから、徐々にハードになっていき、終盤は、メロディアスなギターとシャウト気味のボーカルが、堪能できます。 | 6点 |
11 | Walk | ラスト・ナンバーは、キャッチーさとヘビーさをあわせ持った曲で、このアルバムの特徴を、最も表現している作品です。シングル・カットもされ、グラミー賞の最優秀ロックパフォーマンス賞と最優秀ロックソング賞を受賞しました。 | 8点 |
平均点 | 7.1点 |
前々作「In Your Honor」と前作「Echoes, Silence, Patience & Grace」は、アコースティックな曲とハードな曲で構成されていましたが、このアルバムは、原点回帰のハードな曲で占められています。
デジタル機器を排除し、アナログ機器に徹したことが功を成し、最高の骨太ロックなアルバムに仕上がっています。
Sonic Highways
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
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1 | Something from Nothing | 落ち着いたイントロが、今までのフー・ファイターズのアルバムにはない、異質な雰囲気のある曲です。中間部から曲調が変わり、ギター・リフやギター・ソロが、心地よく、ファースト・シングルカットされました。 | 9点 |
2 | The Feast and the Famine | この曲も、今までのフー・ファイターズの曲に比べると異質な印象を受けますが、パンキッシュなかっこよさは、今までと変わりはありません。セカンド・シングルカットされた曲です。 | 8点 |
3 | Congregation | フー・ファイターズらしいハードでキャッチーな曲ですが、今までのフー・ファイターズのキャッチーな曲に比べると、途中のギターリフなど一捻り加わった印象を受けます。この曲もシングル・カットされました。 | 7点 |
4 | What Did I Do?/God as My Witness | ハードの中にキャッチーさのあるバラード曲です。この曲も今までのフー・ファイターズの曲と比較すると、途中から曲調が変化したりと、一捻り加わっています。 | 7点 |
5 | Outside | ボーカルは控えめですが、ヘビー・メタル感のあるギター・リフに、哀愁漂うサビが、美しい曲です。中間のギター・ソロも、哀愁感が漂っています。 | 7点 |
6 | In the Clear | ギター・リフは、スラッシュ・メタルのようなザクザク感が出ていますが、それほどハードではなく、ポップな要素を持った曲です。 | 6点 |
7 | Subterranean | イントロのプログレッシブ・ロックのようなキーボードが美しい、メロディアスなカントリー風の曲です。 | 6点 |
8 | I Am a River | 曲名通り、川の流れのような穏やかな曲です。この曲も、今までのフー・ファイターズにはない新境地を感じさせる大作です。 | 7点 |
平均点 | 7.1点 |
全米8都市をモチーフにしたコンセプトアルバムで、収録曲が8曲と曲数が少なく、際立ったキラーチューンもないため、地味な印象を受けますが、どの曲も良作で、充実したアルバムです。
フー・ファイターズの新境地を感じさせるアルバムで、今までよりも、曲の構成が複雑になっています。
Concrete and Gold
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
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1 | T-Shirt | オープニング・ナンバーは、イントロの静かなアコギから、一気に、爆音のギターが始まるロックな曲です。今までのフー・ファイターズのメタルやパンキッシュなギターとは異なる、ポップさのあるギターが特徴的です。 | 5点 |
2 | Run | 前曲から引き続いて、静かなイントロから、一気にヘビー・メタルに突入していきます。しかしサビ以外はポップであり、メタル + ポップスのような曲で、デイブ・グロールのシャウト・ボーカルが、凄まじく感じます。ファースト・シングルカットされた曲です。 | 8点 |
3 | Make It Right | ミドルテンポのグルーヴ感のあるメタル曲ですが、この曲も、メタル + ポップスのような曲です。1曲目〜3曲目で、このアルバムの特徴が見えてきます。 | 6点 |
4 | The Sky Is a Neighborhood | スローテンポのブルース調バラード曲で、サビの部分は、合唱が入り、少し、ボン・ジョヴィの雰囲気を感じさせます。セカンド・シングルカットされた曲です。 | 5点 |
5 | La Dee Da | 前曲と同様、合唱が入っています。ギターやデイブ・グロールのシャウト・ボーカルが激しく、メタルしていますが、合唱がその激しさを和らげています。 | 7点 |
6 | Dirty Water | 前曲の激しいメタル曲から、一転、静かなバラード曲です。途中から、ギターが、メタルしてくるあたりが、フー・ファイターズらしさを感じます。 | 6点 |
7 | Arrows | ボーカル中心のキャッチーな曲で、ギターはそれほど激しくなく、伴奏に徹しています。 | 7点 |
8 | Happy Ever After (Zero Hour) | 曲名が示すように、明るく元気になれるアコギの曲です。激しい曲が続いたため、一休みできます。 | 5点 |
9 | Sunday Rain | ギターはスローテンポのブルース調ですが、ボーカルのメロディは、ビートルズの雰囲気を感じます。ビートルズを意識して作曲されているように思えます。 | 6点 |
10 | The Line | 売れ路線を狙ったロック調のキャッチーな曲です。シングルカットされました。 | 6点 |
11 | Concrete and Gold | ラスト・ナンバーは、このアルバムの中で最もヘビーで、ゴシック・メタルのような曲です。サビの部分には、ポップさがあります。 | 6点 |
平均点 | 6.1点 |
今までのフー・ファイターズのハードさに変化はありませんが、実験色を強く感じるアルバムです。
そのため、今までのフー・ファイターズのパンキッシュなキャッチーな曲を期待して聞くと、肩透かしをくらってしまうかもしれません。
Medicine at Midnight
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
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1 | Making a Fire | なんでしょう、この軽いノリは。女性のコーラスも、ギターも軽く、フー・ファイターズの昔からのファンは、裏切られた感があるのではないでしょうか。 | 5点 |
2 | Shame Shame | ドラムと、管楽器中心のダンサンブルな曲で、系統は違いますが、クィーンの「地獄への道づれ」のようなシンプルな曲です。ファースト・シングルカットされた曲です。 | 5点 |
3 | Cloudspotter | この曲も女性ボーカルが入った、軽い曲です。ダンス系に、マリリン・マンソンのような「しゃがれたシャウト・ボーカル」が入った曲です。 | 7点 |
4 | Waiting on a War | フー・ファイターズらしいアコギの曲で、終盤は、パンキッシュな曲へと変わっていきます。反戦ソングですが、曲調は明るめのメロディアスな曲です。シングル・カットされた曲です。 | 6点 |
5 | Medicine at Midnight | このアルバムは、「デビッド・ボウイの「Let’s Dance」のような作品を作ろう」と思って制作されたそうで、それが、一番表現されている曲です。イントロの歌い方は、デビッド・ボウイに似ています。 | 6点 |
6 | No Son of Mine | ロブ ゾンビのようなインダストリアル・メタルな曲で、このアルバムの中では、一番かっこいい曲です。この曲もダンサンブルで、セカンド・シングルカットされた曲です。 | 7点 |
7 | Holding Poison | ポップなハード・ロックですが、今までのフー・ファイターズの重低音はなく、軽音量なハード・ロック曲です。 | 6点 |
8 | Chasing Birds | 今までの軽いハード・ロック、ダンス系の曲から、一転、アコギの静かな美しい曲です。このアルバムは、今までのフー・ファイターズのアルバムと比較すると変化が激しく驚きましたが、この曲を聞くと、やはりフー・ファイターズの良さを感じ安心します。 | 7点 |
9 | Love Dies Young | ラスト・ナンバーは1曲目と同様、軽いノリの曲で、このアルバムを象徴しています。今までのフー・ファイターズの骨太ロックの曲を知っていると、受け入れ難い曲だと思います。 | 5点 |
平均点 | 6.0点 |
ダンス系の曲が多く収録されているため、フー・ファイターズのアルバムの中で、一番、賛否両論がありそうなアルバムです。
「デビッド・ボウイの「Let’s Dance」のような作品を作ろう」と思って制作されたために、ダンス系の要素が強くなっています。フー・ファイターズの骨太ロックが好きな人には、このアルバムは受け入れ難いアルバムに感じるかと思います。次回のアルバムが、フー・ファイターズの命運を分けるような気がします。
まとめ
フー・ファイターズは、ハード・ロック、メタル、パンクのようなヘビーな曲、アコギの静かな曲、ダンス系の曲と様々ありますが、カッコ良さは、最近のバンドではピカイチです。
テイラー・ホーキンス氏がお亡くなりになってしまったのは、とても残念ですが、フー・ファイターズは今後も活躍し続けていってほしいバンドです。
ハード・ロック、ヘビー・メタル好きな人で、まだフー・ファイターズのアルバムを聞いたことがない方は、ぜひ、この記事を参考に、素晴らしいアルバムを聞いてもらえればと思います。
次回は、フー・ファイターズの全アルバム ランキングをまとめたいと思います。
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